今、相変わらずナレーションを収録していて、秋まで掛かりそうなのだが
その中で「相好を崩す」という言葉が出てくる。
言葉の由来は、以下。
「相好を崩す(そうごうをくずす)」の意味・由来・語源
「相好」とは仏教用語で、仏の美しく立派な身体的特徴である「三十二相八十種好」を略した言葉だったが、それが後に顔つきや表情の意に転じたもの…とある。
三十二相は如来の瑞相(吉事の前触れ)である。
通夜・葬儀や法事で、お坊さんの法話の中で三十二相は使われることがある。
頻繁に使われる例を幾つか挙げてみよう。
白毫相…眉間に右巻きの白毛があり、光明を放つ。伸びると一丈五尺ある。
丈光相…身体から四方各一丈の光明を放っている(後光)。光背はこれを表す。
金色相…身体手足全て黄金色に輝いている。
毛上向相…体の全ての毛の先端が全て上になびき、右に巻いて、しかも紺青色を呈し柔軟である。
手足指縵網相…手足の各指の間に、鳥の水かきのような金色の膜がある。
梵声相…声は清浄で、聞く者をして得益無量ならしめ、しかも遠くまで聞える。
なるほど、どれも法話の中で扱いやすい。ちょっと金色ばかりで悪趣味な感じもあるが、端的に纏めるなら「良いイメージ」ばかり。
※因みに、インドは何でも右回り(日本で言う仏周り)だけど、それは仏教以前から伝わる風習のようなものです。ですから、仏教と右回りが、何か深い関係があるのでは、と思われますが単なるインドの習慣だと思ってください。
しかし、都合の良い「相」だけを抜粋して法話を作っているのでは?
もしかしたらだけど、真実の姿が見えにくくなっているのでは…と、思うことがある。
三十二相なんだけど、法話では、まず使われない例を挙げてみた。
(あくまでも私の感覚です)
四十歯相…40本の歯を有し、それらは雪のように白く清潔である(常人は32歯)。
牙白相…40歯以外に四牙あり、とくに白く大きく鋭利堅固である。
大直身相…身体が広大端正で比類がない。
大舌相…舌が軟薄で広く長く、口から出すと髪の生え際にまで届く。しかも、口に入っても一杯にはならない。
陰蔵相(おんぞうそう)
馬や象のように陰相が隠されている(男根が体内に密蔵される)。
んー、歯が四十本あって、更に牙が四本。(猛獣?)
初期のインドの仏像もそうだが、二メートルの大男で筋肉隆々(ライザップ?)
舌を伸ばすと、髪の毛まで…何が言いたいのだろうか?
象や馬の巨根は、元来、内蔵される仕組みで、それと同じということか?
ね、法話で扱いにくい話でしょう。
(負の要素ありすぎ…私は、このイメージ時の方が好きですが)
それは誤解を受ける恐れがあるからなんです。
じゃ何故誤解されるか…日本人の釈迦像と当時のインド人の釈迦像がマッチしません。
その辺りの話は、またいずれ。
ナレーションの収録で、面白い話に辿り着きました。