野良の現実(Nishida)

犬も好きだけど猫も好き。我が家の近所には野良ネコがいっぱい。

目の前のお家の方がご飯を与えているからいつもそこから離れない。

4年間見ているうちに何度も赤ちゃんを産んでその成長を見てきたし、

ボス的猫の世代交代や、そこを縄張りとしている彼らの天敵の猫まで

把握出来るほどになった。


そしてまた赤ん坊を目撃するようになり、ある朝も、

ベランダから仲むつまじい母ネコと2匹の赤ちゃんを見かけ、

成長が楽しみだなぁなんて思っていた。

ふらつきながらも上手に歩き、母親に甘える姿をしばらく眺め

ほっこりしていたのに・・・

 

出勤時間になり玄関を出ると駐車場の隅っこに一羽のカラスがいて、

まさか!と思って駆け寄ると、先程元気に遊んでいた子猫の一匹が

もう助けようのない姿に変わり果てていた。

 

ショックでした。結局、どうしてあげることも出来ずにその場を

離れてしまった自分にもまたショック。せめて帰ってから

まだそこに姿があれば、埋めてあげようと思ったけれど、

跡形もありませんでした。

母猫も、聞いたことのない声で鳴きながら、その場所を歩き回って

居なくなった我が子を探していました。

 

暗い気持ちで残されたもう一匹を毎日毎日、元気かな?と見ていると、

その子もある日を境にぱったり姿が見えなくなりました。

 

カラスやタヌキに襲われることは野良ネコにとって珍しくない出来事の様ですが、

自然の摂理を目の当たりにして複雑な気持ちを抱える今日この頃。

野良猫を、飼うわけでも無いのに食事を与えることは無責任な虐待だ、

と言う人もいます。

子どもを産み、数を増やしても悲しい死を増やすだけだと。

でも毎日同じ野良が玄関前で待っていたらきっと私も与えてしまうと思う。

一時の無責任な愛情ならば自然の摂理に人間は手出し無用、ということですよね。

 

頭では分かっていても、悶々とした気持ちが晴れません。


なんとか気持ちを切り替えなくちゃ。