ガンダーラの仏像 (井手)

ガンダーラ…それはインド、天竺と呼ぶに相応しい国であると…

このイメージの根源は、ゴダイゴの名曲「ガンダーラ」にあるのでは。

実は、ガンダーラ地方は現在パキスタンである。

この地は、6世紀以降仏像制作が盛んであった。

しかし驚くなかれ、インドの仏像とは似ても似つかぬ代物である。

それが、天平の甍の頃、日本へ伝わった。

偶然だったのだろうか?

それとも必然か。

以降、現在まで仏像と云えば、日本ではこのガンダーラ地方の仏像のこと。

だから、インドの仏像とは根本的に違う。

(日本でいう仏像は、パキスタン系の仏像なのだ)

 

インドでは、中央に位置する「アトュラ」という地域が、

仏像制作の盛んな所であるが、そのタイプの仏像を見る機会は少ない。

しかしインドでは、当然の如く頻繁に見る。

頭にターバンを巻いた菩薩や、髻(もとどり)を結ったような菩薩。

明らかに、人種が違うな…(多民族国家だな)と感じる。

 

日本の葬式でも、例え宗派が同じであったとしても、

葬式のやり方がまるで異なるのは周知の事であるから、

眼前の仏像がインドで作られた仏像ではないと知ったとしても、

今更と云う気もするし、歴史があるのだから、根本はそう変わらないだろう、

とまあ、そんな大らかな気持ちになって拝めばよかよ!…と言いたい。


昔、当時の日本人は、インド(天竺)の仏像だと思っていたのだから仕方ない。

でも、お釈迦様が2メートルの巨体であったといわれるより、思慮深い方がよいだろう。

日本人にとっての、日本人向きの「仏」なのさ。

 

では、少しだけインドの色々な人間っぽい仏像をご覧ください。

一番左の写真です。(日本とは、かなり違いますから驚かないで)

色々言いたいことがおありだとは思いますが、私に言われても困ります。

では、どうぞ。