終活の一環として、入棺体験をする方が多いと聞く。
昔の感覚だと、とても考えられない。
昔…といっても30年~20年くらい前までは、暇なときには棺を作らされた。
プラモデルを作るみたいに木工ボンドと釘で形を整えたら次は内装である。
所謂でっかいホッチキス、ガンタッカーと云ったかな。
それでプス・プス…と止めていくだけ。
仕上げは、布団を敷いて、枕と杖と掛布団。
1棺制作するのに20分。
横浜や川崎の互助会では、大量に作ったなあ。
そして昼休みには、あちこちの柩(この字だと中身が入ってまーす)でスタッフが寝ていた。
思いの外、寝心地が良い。
夏は涼しく、冬は暖かい…熟睡してしまう。
午後の始業ベル「おーいやるぞ、起きろ!」
次々と棺が開く…ゾンビ状態!
それが今や、葬儀社ではなく一般の人が寝るようになった時代。
とても考えられない。
当時は飲み屋で、自分で棺を作ってその中に入った話をすれば、皆興味津々。
あー、そういえば、その頃から潜在的に“入棺体験”のようなニーズはあったかも。
ただやはりその頃は、消費者のニーズが成熟して変わらないとできなかっただろう。

話は変わって、韓国の入棺体験の話。
ライブドアのニュースから。
高校生を自殺から救いたい。葬儀屋元従業員が“死人体験”を企画(韓国)
自殺率では世界ワースト2位と言われている近年の韓国。毎日40人もの人が自殺している計算になり、ここ20年で4倍以上に膨れ上がってしまったそうだ。人々の自殺願望を抑えるべく何らかの対策が必要だと言われる中、韓国にやや異質な“葬儀施設”が誕生して注目を集めている。
「死ぬとはどういうことなのか自身で経験してみましょう」というその企画。このほど大量の棺桶が待ち受ける韓国の「Seoul Hyowon Healing
Centre」にやってきたのは、自身の中に自殺願望があるという学生たちであった。彼らは遺言や愛する人たちへの別れの手紙を書いた後、死に装束に着替えて自身の大型の写真が入ったフレームを胸に棺に潜り込み、蓋をしめて10分間ほど暗闇の中で横たわったという。
一言に自殺といっても動機はまちまちだが、韓国の学生の自殺に関しては受験や就職におけるプレッシャー、親の重すぎる期待が一番の原因となっている。そうした若者をなんとか救いたいとしてこの珍しい企画を始めたのは、葬儀会社の元従業員であったJeong Yong-munさん。彼は参加した学生たちに「困難は人生にはつきもの、一つのシーンだと受け止め、そこにおいても喜びを見いだせるよう努力するべきなのです」と諭し、棺の蓋を開け、リフレッシュした表情で起き上がった学生たちに「死とは、そして生とはどういうものなのかがわかりましたか? 人生は闘いです。生きて真っ直ぐ前を向いて歩くしかないのです」などと声を掛けたという。
今年3月、韓国の教育省は“自殺願望”を思わせる単語が使用されているSNSの書き込みやメールを徹底的に検閲し、必要であれば保護者に警告すると発表した。しかしこれには「韓国の根強い学歴社会こそが大きな問題。ソウル、延世、高麗のトップ3大学を出た、0.1パーセントにも満たない者だけが勝ち組となって社会を牛耳る、それを国をあげて打開してほしい」との意見が相次いだ。韓国では学習塾が大繁盛で、学校は午後4時に終わるも深夜11時まで塾に缶詰めになっている子も多い。案の定そのプレッシャーに押しつぶされ、志望の大学へのキップを手に入れられなかった高校3年生による自殺は11月に集中しているという。
似たような事をやっても、国が違えば…だね。
では。