葬儀社の社会貢献 (井手)

昨日のブログでは、終活の現場と自動車免許自主返納の話、

そして大阪の免許返納率が高い事を書いたが、

本日は、生活の足のない高齢者に対して葬儀社が社会貢献をしているという事と、

今後益々その傾向は強くなるだろう…と云う話だ。

 

葬儀社のやっている終活は「手続き」の話ばかりだという。

いや、「手続き」の話が役に立たないとは思えないが、それだけでは惜しい。

高齢者にどれだけ寄り添えるか、高齢者の暮らしぶりにどれだけお役に立てるのか、

葬祭業者はそこを競い合うべきだし、そこから生まれる信頼関係は、

何よりも大きいのではないだろうか。


とまあ、偉そうなことを書いたが、実はニュースの影響なのだ。

以下、毎日新聞より。


葬儀社マイクロバス:「買い物難民」の足に…福岡

毎日新聞 20151028日 

 近くに食料品店などがなく日々の買い物に困る高齢者ら「買い物難民」の足として、葬儀社のバスが一役買っている。住民のニーズと、PR効果に期待する葬儀社の思惑が一致。無償で地域とスーパーなどを巡回するサービスが、公共交通機関の少ない地域で広がりつつある。

 ◇地域貢献で「身近に」…高齢化進む地区で好評

 15日午後1時半、福岡市西区の今宿公民館前を出発した冠婚葬祭会社「メモリード」福岡事業部のマイクロバスは、今宿校区の5カ所を回って高齢者を乗せ、約1時間かけてスーパーとホームセンターに立ち寄った。利用は無料。生鮮食品などを買い込んだ女性(87)は「週末に車で買い物に連れて行ってくれる娘とは都合が合わない時もある。脚を痛めていて1人では買い物に行けないのでありがたい」と笑顔を見せた。

 今宿校区でのバスサービスは、今宿校区社会福祉協議会の要請を受け、同社を含む4社が協力して2週間に1回運行。地域を3コースに分け、2コースは午前、午後の1便ずつ、1コースは午後便のみの計5便走らせる。バスと運転手は業者側が無償で提供し、バスには社協の従業員が添乗する。サービス初日のこの日は、計8人が利用した。

 社協によると、今宿校区では大型スーパーの進出などで約20年前から商店や小型スーパーが相次いで閉店。高齢化も進み、校区内の高齢化率(65歳以上の割合)は高い地区で42%に上る。バス停から家まで坂道を10分近く上る人も多く、社協が今夏実施したアンケートでは、回答した465世帯中96世帯が葬儀社バスの利用を希望した。社協の平方芳仭(ひらかたよしひろ)副会長(70)は「便利さが口コミで伝われば、利用者はもっと増えるだろう」と話す。

 一方、葬儀社側は地域貢献に加え、地域とのつながりが増えることへの期待もあり、メモリード福岡事業部は「生前に葬儀費用を積み立てる人も多い。葬儀社を身近に感じてもらえて営業する機会にもなる」と言う。

 同様の取り組みは各地で始まっており、福岡市内では昨年、南区で2カ所、早良区でも1カ所スタート。先駆けとも言えるのが北九州市八幡西区の楠北(くすきた)自治区会で、地区唯一のスーパーが閉店した直後の2011年から地元の葬儀社と連携している。

 自治区会の松尾一四(かずし)会長(73)は「現在は週1回で30〜40人が利用し、外出する高齢者が増えた。地区では独自に『朝市』も開いており、(バスとの相乗効果で)互いに動静も見えるようになってきた」と語った。

 福岡市社協によると、市内では他にも葬儀社側から協力の申し出が相次いでいるという。【吉川雄策】


以上。

これからの葬儀社の在り方として、高齢者と如何に寄り添えるか。

そこが大切になるだろう。