「お」と「ご」の使い分け (井手)

受講生から頂く司会講座の質問で多かったのが、

「お」と「ご」の使い分け。

「お焼香」と「ご焼香」、どちらが正しいのか?

「お浄土」と「ご浄土」の使い分けのケースもありました。

 

「お」と「ご」は丁寧語であり、また軽い接頭語でもある。

その使い分けの方法は、

「お」の後は「和語」

「ご」の後は「漢語」であると云ってます。

「おところ(所)」に対して「ご住所」

「おなまえ(名前)」に対して「ご芳名」

「お子さん」に対して「ご子息」

 

で、「お焼香」なのか「ご焼香」なのか。

「焼香」はどう見たって「漢語」。

仏教は、そもそもが外来宗教であるから当たり前。

しかし、日本人の心に根付いているとすれば、

「和語」のイメージに変化しているかもしれない。

そして、現場では、学術的な拘りよりも優先すべきものがある。


ここから先は、講座では喋らない。

今日は、もっと深く掘り下げてみる。

 

実は、「お」の付く言葉を多用したのは女性から…室町時代と言われています。

つまり、元来、女性言葉。

だから言葉に柔らかさが出ます。

何にでも「お」を付けちゃえ!…ってもんです。

 

「屁」は下品、でも「お屁」ではつまらないから「おなら」

「田楽」は物言いがかたい、で「おでん」

「太鼓結び」も同様、で「お太鼓」…打つ太鼓ではありません。

そうやって考えたら、「お花」「お琴」「お仕事」「お年玉」「お礼」…

「和語」も「漢語」も入り混じる。

…困ったな。

だから講座ではこんがらがるといけないので言いません。

 

では。