自殺と四角い画面 (井手)

 

自殺者は6年連続減少。

 

 

 

朝日新聞デジタルのニュースで、

 

自殺者、18年ぶり2万5千人下回る 6年連続減少…とあった。
速報値では自殺者23971人で、その内、男性が約7割である。

 

 

自殺に関しては、色々なデータがある。

 

 

 

自殺者が最も多いのは、男女共に5月である。

反対に少ないのは、男性は11月、女性は12月。この理由は不明である。

 

 

 

職業別の状況では、無職者が一番多く、次いで年金・雇用保険等生活者、主婦、失業者の順だ。

 

 

 

自殺は、日本の死因では、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肺炎、不慮の事故に次いで

6番目である。また20代から30代にかけては自殺が死因のトップである。

 

 

 

現在、日本の10万人当たりの自殺率は20,9人で、世界では10位にあたる。

 

但し、自殺率のピークは1990年代であったが2000年以降減少している。

 

 

 

今までで自殺者が最も多かった年は、2003年の34427人だ。

 

(日本の人口のピーク時だからだろう)

 

 

 

都道府県別では秋田、群馬、石川、三重、和歌山、島根、岡山、山口、熊本、沖縄の10県が

前年より多かった。

 

 

 

人口10万人あたりの自殺者は多い順で、

秋田26・8人島根25・1人新潟24・9人だった。

(この傾向は、県の特徴の一つだ)

 

 

 

データ自体はかなり揃っているが…いずれにせよ8年程前から厚生労働省が打ち出してきた

自殺対策の中核をとなっているうつ病・綜合失調症・アルコール依存症対策等が

功を奏しているのだろう。だから、自殺に関してのデータも多いのだ。

 

 

 

ところが厚生労働省の努力とは別に、自殺率の減少は…自殺者の減少は人口が自然減であるから、

率の話です…一説には世間一般に浸透したスマホの影響も大きいのではないかと云う。

あの小さな四角い画面が、自殺率の減少に効果があるということか。

 

 

 

考えてみたら、確かに腑に落ちないこともない。

 

鬱になって部屋に籠りっきり…とはいっても、今はスマホがある。

 

チャンネルはいつでも開いているのだ。

 

顔は知らなくてもスマホだけの知り合いがいてもおかしくない。

 

何処の誰かは不明でも、会話は成り立つ状況が存在する。

 

何かしらのアイデンティティは築けるかもしれぬ。

 

 

 

電車に乗れば、或いは駅のホームや喫茶店で、皆が四角い画面に見入っている。

 

一見クレイジーに映るが、あれが現代の世界の入り口なのだ。

 

昭和30年代、颯爽とデビューして世間を席巻したあの四角いテレビ。

 

その前に噛り付いた人々と何処か共通点がありそうだ。

 

どちらも人々を夢中にし、クレイジー(キャッツ)だったなあ。

 

 

(関係なくてスマン)

 

 

 

 

大きさこそ違うが、どちらもアメリカから入ってきて、四角くて、瞬く間に席巻して、

 

その後の日本人の生活スタイルをガラリと変えてしまった。

 

 

 

人と人との繋がり方は変わってしまったが、人は一人では生きていけない。

 

スマホが、結果として一人でも自殺者を減らしてくれるならばありがたいし

 

ある意味、スマホが心の支えになってくれているのかもしれない。