第72回葬祭初級講習会(井手)

 

20年は続いている全農様主催の全国講座。

 

72回目の開催に、今年も始まったと改めて感慨深い。

 

精一杯やらせていただこう。

 

 

 

開催初期、30代で講師をやらせていただいた頃、

 

受講生は男性の先輩ばかりが中心で、

 

キャリア78年程度である講師の私がよく怒られた。

 

 

 

当時、講座の中で「えー、何で?」と思ったのが懐かしい。

 

受講生と意見が合わないと、中には絶対曲げない人もいる。

 

JAの現場は、そういうものなんだから」

 

等とキッパリと云われた。

 

困ったな、普通のことなんだけど…

 

 

 

それは、「導師、ご入場でございます」と私が実演をしたら

 

即座に「違う、違う、絶対違う、ご導師様だろう?」

 

誰?僧侶?それとも寺族の回し者?

 

「えっ、あのー、ご導師様は敬語的にね、逆におかしいでしょう」

 

「何がおかしいね、先生、あなたがおかしいよ」

 

(おっフィリピン系も入ってきた)

 

 

 

実際、その頃の現場では圧倒的に「ご導師様」なのだ。

 

このような人に、敬語の理屈は通じない。

 

大袈裟になるが、現場は学術研究の場ではないのだから。

 

そして極め付けの一言。

 

「クレームが来るような言葉は教えないでよ」には参った。

 

 

 

世間はなかなか難しい。

 

一筋縄ではいかないものだ。

 

正しい言葉づかいをすれば、文句が出ない…という保証はどこにもない。

 

特にJAの各地域の年配の皆様は、

 

JA葬祭部のスタッフには言い易かったみたいだ。

 

 

 

いろんな人が居て、世の中は成り立っている。

 

以来、必ず注釈を付けるようにした。

 

以下がそれである。

 

葬儀はそれぞれの地方に"習俗・しきたり"が根強く残っています。

司会者はその立場を明確にして、正しい日本語(敬語)を使うように心掛けるべきですが、必ずしも受け入れられるとは限りません。

大切なのは、遺族の意向を十分に汲めるような"打ち合わせ"です。

 

 

 

いろんな人のお蔭で、今があると思える。

 

カッとなってよく喧嘩腰になったが、指摘してくれるのはありがたい。

 

当時は、全員が宿泊棟に泊まるから、皆で毎夜呑んだ。

 

講座の中で言いあった先輩(受講生)とも、逆に親しくなれた。

 

楽しかったなあ。

 

 

 

最近は、私より年上を見つけるのに苦労する。(トホホ)

 

まあ、それは良いとして、

 

今年から、更にモデリング学習に力点を置いた。

 

テキストにCD教材を音声ガイドとして添付した。

 

これで確実に上手くなる人が出てくる。

 

 

 

3日間の講習は司会ばかりではない。

 

受講者は、管理職も新人もいる。

 

それぞれ葬儀司会との関わり方は違う。

 

司会字実務に取り組まれる方、指導を担当する方、

 

双方にとって、自社のレベルを継続的に上げるためには、

 

司会理論と司会上達への方法論の理解、

 

それを支える音声教材は欠かせない。

 

それは近年、講座の課題発表の結果から導き出されている。

 

 

 

司会は、新人ほど、あっという間に上達する。

 

 

 

講座に参加された皆様が、

 

司会の理屈を理解し、確実に上達して欲しいと願っている。