20年は続いている全農様主催の全国講座。
72回目の開催に、今年も始まったと改めて感慨深い。
精一杯やらせていただこう。
開催初期、30代で講師をやらせていただいた頃、
受講生は男性の先輩ばかりが中心で、
キャリア7~8年程度である講師の私がよく怒られた。
当時、講座の中で「えー、何で?」と思ったのが懐かしい。
受講生と意見が合わないと、中には絶対曲げない人もいる。
「JAの現場は、そういうものなんだから」
等とキッパリと云われた。
困ったな、普通のことなんだけど…
それは、「導師、ご入場でございます」と私が実演をしたら
即座に「違う、違う、絶対違う、ご導師様だろう?」
誰?僧侶?それとも寺族の回し者?
「えっ、あのー、ご導師様は敬語的にね、逆におかしいでしょう」
「何がおかしいね、先生、あなたがおかしいよ」
(おっフィリピン系も入ってきた)
実際、その頃の現場では圧倒的に「ご導師様」なのだ。
このような人に、敬語の理屈は通じない。
大袈裟になるが、現場は学術研究の場ではないのだから。
そして極め付けの一言。
「クレームが来るような言葉は教えないでよ」には参った。
世間はなかなか難しい。
一筋縄ではいかないものだ。
正しい言葉づかいをすれば、文句が出ない…という保証はどこにもない。
特にJAの各地域の年配の皆様は、
JA葬祭部のスタッフには言い易かったみたいだ。
いろんな人が居て、世の中は成り立っている。
以来、必ず注釈を付けるようにした。
以下がそれである。
葬儀はそれぞれの地方に"習俗・しきたり"が根強く残っています。
司会者はその立場を明確にして、正しい日本語(敬語)を使うように心掛けるべきですが、必ずしも受け入れられるとは限りません。
大切なのは、遺族の意向を十分に汲めるような"打ち合わせ"です。
いろんな人のお蔭で、今があると思える。
カッとなってよく喧嘩腰になったが、指摘してくれるのはありがたい。
当時は、全員が宿泊棟に泊まるから、皆で毎夜呑んだ。
講座の中で言いあった先輩(受講生)とも、逆に親しくなれた。
楽しかったなあ。
最近は、私より年上を見つけるのに苦労する。(トホホ)
まあ、それは良いとして、
今年から、更にモデリング学習に力点を置いた。
テキストにCD教材を音声ガイドとして添付した。
これで確実に上手くなる人が出てくる。

3日間の講習は司会ばかりではない。
受講者は、管理職も新人もいる。
それぞれ葬儀司会との関わり方は違う。
司会字実務に取り組まれる方、指導を担当する方、
双方にとって、自社のレベルを継続的に上げるためには、
司会理論と司会上達への方法論の理解、
それを支える音声教材は欠かせない。
それは近年、講座の課題発表の結果から導き出されている。
司会は、新人ほど、あっという間に上達する。
講座に参加された皆様が、
司会の理屈を理解し、確実に上達して欲しいと願っている。