マンツーマン司会研修 (井手)

 

川越で行われたマンツーマン葬儀司会研修。

 

私にとっては初めての経験で楽しかった。

 

 

弊社は、自社開催の研修会は一切やったことが無い。

 

問合せはよく受けるが、全てお断りしている。

 

しかし今回は某専門学校の卒業生であり、且つ、

 

行政の助成金を使って葬儀司会研修会を開催して欲しいということであった。

 

それなら以前、九州でやったことがあるし、条件を教えていただき

 

金額も、期間も、延べ研修時間もそれに合わせる形で行った。

 

面倒臭くて不便な所もあったが、まあ良しとしよう。

 

楽しかったし、勉強にもなった。

 

研修の中で出た「引っ張り餅」について。

 

受講生の県内では四十九日まで餅をついてはいけないという習慣が県内にあったようなのです。調べてみると、神奈川県の一部(川崎南部)や東京北部(八王子)の地域に存在する「お豆腐や酒を納棺時」に、また「葬儀後は餅で…」。

 

この「葬儀後は餅で…」の所が、彼の地域である福島県では「引っ張り餅」になるようです。そして一般的に東北地方に「引っ張り餅」は多いですね。

 

※【引っ張り餅】

東北地方で,葬式のあと,一つの餅を数人で引っ張り合って食べること。平素は忌む。

 

ところが、同じ寒い国でも北陸方面に行くとガラリと変わります。

 能登の国に「引っ張り餅」あり。

 名物「ひっぱり餅」は、弁慶が能登金剛巌門の不動滝の水で作り上げた保存食がその始まりとされ、よくつきあげた餅をあつあつのうちに水に浸し、これを部屋一杯に敷き詰めた琉球ゴザの上で数人の女性たちが四方八方からひっぱりあって薄く伸ばしたものが始まりで、今はお土産です。

 

同じ名前の「引っ張り餅」ですが、大きく違います。

 

2006年、今から10年前にも似たようなレポートをしていました。

過去の自分から、お借りします。

千人針です。

 

出征兵士の武運長久を祈って、1枚の布に千人の女性が赤い糸で、
ひと針ずつ縫い付け、千個の縫い玉を作ったものです。
だから「千人針」を別名「千人結び」とも。
「虎は千里を行って千里帰る」の故事からきているらしい。
この写真は、千人針の腹巻でしょうか。(ちと調査不足)
はじめは、寅年生まれの女性(強いからね)の手によって、
赤い糸で結び目をしっかり留めてあるのが一般的だったようです。
厄年に赤いものを身につけたりしますので、
日本人の赤い色に対する考え方が反映しているのでしょう。
多数の人の力を合わせて目的を達成させる合力祈願ですね。
ところで納棺時の死装束はこれの逆。
白い糸で結び目を留めず、故人と縁のある女性の手で引っ張り縫い。
結び目を留めないのは、完成形を嫌い、
糸尻を留めない引っ張り縫いは、忌の分散を狙ったものでしょう。
とまあ、ここまでは講座の中でも雑談しますが。
では、タイムショック!
戦死された方の遺品の中から出てきた千人針に、
五銭と十銭の硬貨が縫い付けてあったらしい。
なーぜだ?(チチチチ…)

これは、死線(四銭)を超えると、苦戦(九銭)を乗り越えるため
分かった人いる?
誰か六文銭の代わりだなんて答えなかった?
縁起でもないですよ。

 

それでは恒例の、受講者から教えてもらった各地の面白習俗シリーズ。
京都のある地域では「四十九団子?」っていうのかな。
藁で作ったかなり丈夫な飾りに、団子を四十九個盛ってあるらしい。
一つの団子は小さいらしいが、それでもそれなりの重みになるはず、
なんだけど、藁の飾りが結構丈夫になるように工夫してあるとか。
これも地域の面白風習だ。
京都は真宗強いでしょうと聞くと、さすがに真宗ではやらないらしい。
でも浄土宗ではやってるらしいね。
ご本尊が同じ阿弥陀仏なのにこの辺が宗教の懐が深いというか、
全くいい加減というか、非合理的というかまあどうでもいいや。

 

またお葬式で赤飯を炊く地域は多いが、福島県にも存在した。
昔は忌明けまで料理が出来ないので、保存食が重宝されたから
という説と、元来赤飯は薬膳だからという説も出ていた。
お葬式で、もち米を使う地域は全国にあるようだ。
喫煙ルームの雑談は話題の宝庫だね。
一般に食事の火は、死者が出た家のカマドは忌が掛かっているので仕えない。
だから別宅(隣近所)のカマドを使わせていただくことになる。
そのカマドの火で炊いた飯は、お手伝いの人達が食べるのだ。

 

撒き銭(まきせん)での面白い話。
自宅での葬儀が多い地域では結構残っている風習だが、
最近は小銭を拾ってくれる人も少なくて困るようだと私が言ったら、
茨城の参加者から面白い話が飛び出した。
何やら、撒き銭で食べている人もいるらしいと
「それはオーバーでしょ」と言えば、
「プロになったら、一日五千円位になるらしいですよ」だって。
撒き銭拾うプロかい?
凄いねえ、茨城は。
しかも彼が内緒で教えてくれたのは、自分が司会をしていて、
5
百円玉が足元に落ちてきたら、そっと踏んづけて後で拾うらしい。
面白すぎるよー!
他の司会者も言ってましたけど、五百円玉が近くに落ちてきたら、
「やっぱり、目が追いかけます」って。
皆さん取材には正直で好いねえ()
一般に撒き銭はその日に使っちゃいけなくて、
土の中に一日入れて清めてから使う地域が多いのだが、
その地域では、宵越しの撒き銭は持っちゃいけないとか
「江戸っ子かよ!…茨城なのに」と、突っ込んでおきました。

 

それから、全国的に北の方に百万遍念仏が根強く残っているようでした。
もう東京では東北出身の遺族に見られる程度ですね。
地域の習俗は大切にしたいものですなあ。

 

最後にもう一丁クイズでっせ。
付き合っている男女。
彼女の部屋を訪問すると2枚の銭貨が置いてあったという。
なーぜだ? (チチチチ…)

 

 

 

 

 

 

一線(一銭)を超えてね!(落ちでーす)