岡山での話 (井手)

 

司会、接遇。幕張、学科、実技筆記と講座は続き、

 

その傾向と対策、そして実演、模擬試験と実施した。

 

それなりに無事に終了、だが講習会の報告ばかりではつまらない。

 

また、得意になった「ひとり焼き肉」の話も飽きただろう。

 

岡山で2日間、葬祭ディレクター技能審査受験対策講座が終了。

 

その帰り道…何故だか付いてくる男がいた。

 

よく見ると受講生だ。

 

方向がたまたま一緒なんだ、と気にもしないでいた。

 

 

 

バスに乗り岡山駅へ。

 

駅構内が混雑している中、エレベーターで上がり、みどりの窓口へ。

 

帰りの新幹線のチケットを、乗車変更するために列に並んだ。

 

随分混んでいるなあ、平日なのに・・・ヒーフーミーと数えれば、楽に15人以上。

 

何分掛かるかなあ? と、ついでに後ろを見れば、ギャッ!まだ付いてきている。

 

目があった。

 

 

 

男:「先生、僕を覚えていますか?」

 

私:(えっ、ここで)「あー、どこかで一緒だったような」

 

ジーと見つめてくる

 

私:「(思い出せない)ごめん、知りません」

 

男:「2年前、先生の葬儀司会専門の講習会に行きました」

 

私:「そうですか、ありがとう、それで何となく…ごめんね、ホントに顔を覚えないんだ」

 

男:「入社3ヶ月で参加して、皆に何を血迷ったのかと云われました」

 

私:「それは…酷い言い方だね。ただ3ヶ月では何も分からなかったかな」

 

男:「いいえ、二泊の葬儀司会専門講習会に参加したお陰で、今、滋賀県に住んでいますが、標準語の癖の無い司会をすると社長に褒められます」と、関西独特のイントネーションで云われました。

 

私:「そ、それは、ホントに褒められているのかな?」

 

男:「はい、大変感謝しております」

 

私:「良かった」

 

男:「あの時先生が、お前サッカー選手の遠藤に似ているなあ、と云ってあだ名を付けてくれました」

 

 

私:「(やばいぞ)エンドーでしょ」

 

男:「はい、あれ以来、エンドーです(キッパリ)」

 

何故だか、記憶が甦った。

 

私:「ごめん、今それで思い出したよ」

 

男:「あの時はもっと髪が長くて、エンドーっぽかったんです」

 

私:「髪も切ったんだね、似合っていたのに(あれ、いかん)」

 

男:「似合ってましたか?」

 

私:「まあ、今の方が男前だよ」

 

 

 

その後は、不思議と記憶が無い。

 

多分、動揺したからだ。

 

受講生にあだ名まで付けておきながら、顔をすら覚えていない…とは。

 

本当に申し訳ないが、このような話は枚挙に暇がないのだ。

 

 

 

以後、気をつけまーす。