仕事柄、地方へ行くことが多い。
その度に、葬儀に関する習俗の違いには吃驚するが、
日本語の言葉が持つ多彩さも負けてはいない。
そこで今日は比較をしてみることにした。

【捨てる】
同じ意味を持つ言い方が全国には様々ある。
「なげる」…北海道・青森・岩手・秋田・新潟・福井・鳥取。
東北や北海道など東日本の日本海側・寒い地域は「なげる」なんだ。
「うっちゃる」…栃木
「かっぽる」…茨城
「ぶちゃる」…群馬・山梨
「こわれる」…神奈川
関東は言葉が統一しないんだね。
ただ、「〇●る」だけが共通か。
「ほかる」…愛知・岐阜・富山
位置的に日本の真ん中にある連続した3県は、やはり共通だった。
「ほる」…兵庫・三重
「ほかす」…京都・大阪・滋賀・奈良・富山
「ほおる」…香川・徳島
「ほかる」・「ほる」・「ほかす」は、関西圏の共通で、
字は、香川・徳島の「放る」を当てるのではないか。
広い意味で、東海から関西圏を一纏めにしている。
「すつる」…福岡・佐賀・長崎
「うしつる・うっする」
長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島など九州全域だ。
【捨てる】という一言でさえ、こんなにバージョンがあるのだ。
そういえば我が家の小学生が日常会話の中で、
「ぎょうかん」と云う言葉を使った。
「ぎょうかん」??…意味が全く分からない。
「行間」と云う字しか頭に浮かばず、良く話を聞いてみて
「授業の間」で「業間」というらしい。
つまり10分間の休みのこと。(トイレタイムみたいなものだ)
他県では、「放課(ほうか)」という事を聞いていたので、
各県がバラバラだとは知らなかった。
また関西の人は、大学「○○回生」と云い、東京では「○○年生」という。
この違いが分からなかったが、何のことはない。
京大と東大の違いがそのまま影響しているのだ。
京大では留年することはなく学年が進行していくから「○○回生」、
東大では必要単位を取得しなければ進級できないので「○○年生」という。
それが発端だった。
日本語、多彩で難しいけど、興味深い。