愛知、岐阜、大阪、和歌山と、お葬式のやり方が若干異なる方々にお集まりいただき、
8時半からスタートした連続葬儀司会講座の2回目・実践編。
1回目が不参加のまま参加された方は、少し苦労された。
前回の復習ということで、かなり振り返ってお話をしたけど、
私も改めて「こんなに違うのか」と思ったほどだ。
考えてみたら、基礎を飛ばすことになるから、天才でない限り難しい。
何事も「基礎」が大事なのだということを今さらながら痛感した。
考えてみれば、「基礎」と云っても一朝一夕にマスターできるものではない。
1か月前、基礎を習ってから実践編が開催されるこの日までに、
一筋縄ではいかないそれなりの努力をした者が来ているから、
その差を1日で埋めることは到底できないのだ。
教材CDにしても、聞いた時間の分だけ上手くなるのだから。

一般的に、連続講座による学習効果は高い。
アナウンスに絞って例を挙げると、「~です」「~ます」の「す(SU)」の音は
無声音…[◌̥] と表記、つまり【声帯が震えない音】である。
これはアナウンスの基本であり、葬儀だけの理論ではない。
全てのアナウンサーに共通する発声理論である。
だから「す」の音は、「S」は発音しても「U」は発語しないイメージでやる。
と説明してから、一人一人の声を聞き、繰り返し修正していく。
一例を挙げたが、こういうことの繰り返しの時間があっての教材CDだから
その効果が予想できるだろうか。
今まで汚かったアナウンスが、それなりに聞こえるようになるのだ。
葬儀は、「~です」「~ます」で終わる文章の何と多い事か。
だからこれは基礎編でもカットしない。
その他、詳細は割愛するが、1ヶ月でこれほど差が付くとは思わなかった。
ポイントは、【何を学ぶか】にあるのだろう。
講師として、何を基礎編に入れるかの取捨選択について、
改めて考えさせられる思いだ。
当初、経験10年以上の方の癖が物凄く、結果下手だった。
粘って何度もやらせたが、中々、修正がきかない。
頭で分かっても、澱のように固まってしまった「口癖」は簡単にはいかない。
プライドもあっただろうが、よく頑張って何度もチャレンジしてくれた。
結果、1ヶ月で驚くほどにブレークしたのだ。
最初に、きちんと教育することなく、司会をやらせてはいけない。
何が良いのか、何が悪いのか、正確に音が聞こえないうちから、
現場で司会をやらせられるからスタッフは可哀想である。
基礎だけでも、教えてあげて欲しい。
切にそう感じる。