「下さい」と「ください」
「頂く」と「いただく」
「致します」と「いたします」
このような、漢字と平仮名の使い分けで迷ったことが一度はあると思います。
漢字で書くべきなのか、平仮名で書くべきなのかの判断の基準になる「常用漢字表」。
「常用漢字表」は、「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」であり、「科学、技術、芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない」ものとされています。
マスコミでは漢字表記について統一の基準を設けていますので、マスコミで使用する漢字は必ずしも常用漢字とは一致しません。
そこで、少しだけ取りあげてみました。
次のような用語は、常用漢字表に読みがないので、平仮名で表記します
あらかじめ(×予め) いまだ(×未だ) おおむね(×概ね)
かかわる(×関わる)
かんがみる(×鑑みる) こたえる(×応える) すべて(×全て)
とどめる(×留める、止める) はぐくむ(×育む)
ゆだねる(×委ねる)
用語の意味によって、漢字と平仮名両方用いるもの
「おそれ」
・おそれ 「懸念」という意味で用いるとき
・恐れ 「恐怖」という意味で用いるとき
「とおり」
・とおり 「次のとおり」のような用法のとき
・通り 「2通り、3通り」「バス通り」のような用法のとき
「いただく」
・いただく 「~していただく」のような用法のとき
・頂く 「物をもらう」という意味で用いるとき
接続詞は平仮名で書くのが原則
ただし、「又は、若しくは、及び、並びに」の4語だけは例外
おって(×追って) したがって(×従って) ただし(×但し) なお(×尚)
また(×又) ゆえに(×故に)
副詞は原則漢字表記、接続詞は平仮名表記
「さらに」(接続詞) さらに、財政状況についても検討することが必要である。
「更に」(副詞) 財政状況について、更に検討することが必要である。
「あわせて」(接続詞) あわせて、住民の意向調査を行うべきである。
「併せて」(副詞) 住民の意向調査を併せて行うべきである。
間違いやすい表記 漢字で書くもの
辺り(×あたり) 当たって(×あたって) 幾つ・幾ら(×いくつ・いくら)
一斉(×いっせい) 一遍に(×いっぺんに) 今更(×いまさら)
面白い(×おもしろい) 片付ける(×かたづける) 括弧(×かっこ)
傍ら(×かたわら) 我慢(×がまん) 嫌いがある(×きらい)
殊更(×ことさら) この期に及んで(×このご) 差し障り(×さしさわり)
早急(×さっきゅう) 是非(×ぜひ) 大概(×たいがい)
大した(×たいした) 大層(×たいそう) 大体(×だいたい)
大抵(×たいてい) 駄目(×だめ) 丁寧(×ていねい)
取りあえず(×取り敢えず) 取り計らう(×とりはからう)
倣う(×ならう) 外れる(×はずれる) 無駄(×むだ)
眼鏡(×めがね) 面倒(×めんどう) 目途(×もくと)
厄介(×やっかい) 行方(×ゆくえ) 余計(×よけい)
知る由もない(×よし)
間違いやすい表記 平仮名で書くもの
あいさつ(×挨拶) あいまい(×曖昧) 在りか(×在り処)
いかん(×如何) いす(×椅子) いちず(×一途)
いったん(×一旦) いろいろ(×色々) おかげ(×お陰・お蔭)
けた(×桁) ごぶさた(×御無沙汰) しゅん工(×竣工)
しんしゃく(×斟酌) せっかく(×折角) たくさん(×沢山)
だれ(×誰) ちなみに(×因みに) 帳じり(×帳尻)
ちょうど(×丁度) ちょっと(×一寸) 取りやめ(×取り止め)
何とぞ(×何卒) のっとる(×則る) ふさわしい(×相応しい)
ふだん(×普段) まじめ(×真面目) ますます(×益々)
見いだす(×見出す) むなしい(×空しい) むやみ(×無闇)
もくろみ(×目論見) もろもろ(×諸々)
何かと漢字に変換してしまいがちですが、これは覚えて損はない。