人といふ
人のこころに
一人ずつ
囚人がいて
うめくかなしさ
一握の砂より(石川啄木)
久し振りにこの詩に出会った。
何か、若い頃に出会った時とは違う気持ちになった。
今となってはよく分かる。
年を経て分かることが随分あるからだろう。
それとも私が感じる最近の社会情勢が、
私の中でこの詩を浮かび上がらせたのかは分からない。
啄木の云う囚人とは?
読み人がそれぞれ決めて良いのか。
縁薄い多死社会が来ている。
それぞれの心の中にある「囚人」を留めて置くことが難しく
人の哀しみが表出しているのではないか。
そんな気がしないでもない。

【私の矛盾】
私は、私の葬儀は「家族葬」で良いと言っている癖に、
家族葬が大嫌いだ。