Kと二人の日曜日(井手)

 

我が家は、私と家内、大学受験を控えた息子、中学生の娘、小学生と幼稚園児が一人ずつで、トータル6+4+ハムスターがいる家族である。

 

 先日の日曜日、家内は里親の事例発表会があり、幼稚園児はその会場で保母さんが預かってくれるので連れて行くとのこと。中学の娘は部活、お兄ちゃんは受験勉強。

 

 小学生のKちゃんが一人余る。

 

 小学生3年生のKちゃんは、1年生の時に紫斑病で半年近く学校へ行けなかったりと

 色々あり、学業が疎かになっている。だから日曜日でも、必ずお勉強をさせてから遊ぶ、というスタイルは崩さないのだ。

 

また私も何か特別な用事が無い限り、土日でも会社には出ている。

 

連れて行くことにした。

 

私と二人で出かければ、好きなお菓子やアイスも買えるし、

 

お昼は好きな所へ食べに行ける、勉強も教えてもらえるし、

 

一人でプリンセス気分に浸れるのだろう。

 

「明日は何時に起きればいい?」

 

「明日の昼ごはんは、ハンバーグに連れて行ってね」

 

「お菓子を途中で買っていくのを忘れないでね」

 

「それと、ビデオとゲーム機も忘れずに」

 

前日の夜から、何か降ってわいたような特別な日を待ち望む興奮した様子に笑った。

 

 

 

当日。

 

我が家から車で5分の事務所まで行くのに大騒ぎだ。

 

余程嬉しかったのだろう。

 

子供ってホントに単純だなあ。

 

事務所に着くと、普段私が昼寝をしている応接室で嬉しそう。

 

お菓子を前に並べて楽しそうに勉強している。

 

今日はデートみたいなものだからな。

 

 

子供は、ちょっとした特別感や、ほんの少しの非日常を喜ぶ。

 

大人になっても人間の本質は変わらない。

 

楽しい日曜日を過ごせた。