旅の最終目的地、オランダのアムステルダムに到着。ブリュッセルからタリスに乗って1時間50分。正式名称はネーデルランド王国。面積は九州と同じ、人口は1699万人。
学生時代、蘭学という言葉で度々教科書に登場した日本と縁の深い国が、こんなに小さい国だったなんて驚きだ。
実はヨーロッパの国には人口1億を超えている国はいない。先進国と呼ばれる国で1億を超えているのは、アメリカ、ロシア、日本程度ではないだろうか。国会などで欧州の○○国は、保障制度の充実が素晴らしく…云々というような言い方をする時があるけど、人口が数千万人だと割と可能だろうが、日本のように人口が多くてその構成が歪だと通る理屈ではないと思わないのが可笑しい。どの国も大した広さも無く、また人口も少ないのに、少し裏道にでればゴミはそのまま、スリも多い…そんな話はされませんなあ。
そしてオランダで面食らったのが、道路の横には自転車道がかなり広くとってあり、同時にトラムというチンチン電車みたいなのが縦横無尽に走り回っている。歩く方は、自動車に気を付けるだけでなく、背の高い人々が乗って猛スピードで走り抜けている自転車もかなり怖い。恐るべし自転車王国…中野はよくケイリンで10連覇もしたよなあ、それぐらいオランダは凄い。

(左から歩道・自転車道・自動車道・トリム車線)
アムステルダム、という名はアムステル川をダムで堰き止めて街を築いたからだそうだ。
同じようにロッテルダムもそうらしい。外国の方の名前の付け方には味が無いねえ、だってジョンソンは、ジョンの子供だろ。単純過ぎねえかなあ。
(予約してあったが、乗り遅れてしまったクルーズ)
取り敢えずホテルへ向かう前に、帰りのスキポール空港への行き方を確認してから、ホテル近くに停留所があるトリム(チンチン電車)の番号を探すだけでも大変だった。ホテルについて驚くのは、入り口からフロントまでが急階段で嫌になる。後で分かるが、運河が多いアムステルダムでは、ホテルに限らず間口は狭く、上空に伸ばすしかないらしい。そして教えてもらった部屋までは、更に急階段で、私の部屋は5階だった。最上階だ、素晴らしい…というわけではなく、足を踏み外したら死ぬかもと思える急角度と天板の幅の狭さ(靴の2/3しか踏めない)は絶望的だ。一瞬心が折れそうになるが、旅はこれを楽しまなければならない。本当は、バックパッカー向きの宿なのかなとも思ったが…
ビデオで伝わりにくいのだが…
オランダで私が知っているのは、有名な飾り窓と大麻(マリファナ)合法国というイメージ、そしてアンネ・フランクの隠れ家。
結論から云うと、アンネの隠れ家は観光地として有名過ぎて、昨年の5月からオンラインでの受付に変わっていた。3時半以降は、その場でチケットが買えるが行ってみたら行列が半端ではない。諦めるしかなかった。
飾り窓は、どんなところか知りたくて探して行った。夜は怖いので午前中に訪ねたら、へえ、こんな所なんだ、程度の感想だったが、夕食の前にもう一度行ってみたら凄い人。飾り窓は2000年から合法化されているんだけど、小さい子供を連れた親御さんとか、女の子のグループがキャーキャー言いながら歩いていた。性に対する認識の違いに驚かされた。だがよく考えてみると、昔の日本でも吉原の近くに住む小学生や時代の流れで自宅がポルノ映画館に変わったという人もいる。人間の営みをどの程度のレベルで隠さないと影響を及ぼすのかさえ良く分からない。今の日本は、隔離と無理した綺麗で成り立っているのでは
(夜は各部屋が赤くライトに照らされ、下着姿の女性と直接交渉しているようです)
大麻(マリファナ)は、カフェには売っていなくてコーヒーショップに売っているらしい。が、言葉も分からないので、ここだよコーヒーショップって書いてある、等と騒いでいたがお客さんを見る限り普通だった。世界の動きは合法化となっているらしいが難しい判断。ただ、著名な古典の音楽や脚本なども、それぞれの偉人達が、時代は違うが確かに吸っていてその影響があるという考え方もあるらしい。人間にとって、「害」なのかどうか。
芸術関係では、ゴッホ美術館、アムステルダム美術館、オランダ海洋博物館を回った。私にしてみれば数日間で数年分の美術館巡りに相当する量である。普段からこんな生活ができたらいいなあ。最後にいくつか、どうぞ!
他国を見るのは何を見ても楽しいし面白いが、基準は自分が育った日本だ。しかし自分が世界の中心に居るわけではない。それを批判するか当たり前と思うか。他国へのリスペクトも必要だし、一方では、日本という国の有り難さに心から感謝する。まだまだ省いた箇所も多いが、また何かの機会に記したい。