インドネシアの葬儀 (井手)

 

カンボジアのお葬式では、「ワニを吊るす」習慣があるのご存知でしたか。

 

ちょっと吃驚しますが、この話は後日に。

 

 

 

本日のホームページに掲載されていた朝日デジタルのニュースより

 

インドネシアのお葬式では、水牛が生贄にされるそうです。

 

日本円で30万くらいするそうで、現地の人にとっては高いでしょう。

 

水牛だけで30万だから、物価の違いも考えたら日本の家族葬のお葬式は安すぎます。「プーヤ」という「あの世」へ、水牛は乗せて行ってくれると信じられています。だから、お葬式でどうしても必要なのです。

 

故人の遺体は、ホルマリン漬けです。そうして水牛を買うお金が貯まってからお葬式をするというのですから…一人に命がどれだけ重いか、分かりますね。

 

 

 

【注意】次の映像は、気の弱い方は見ないで下さい。

 

映像はデジタルニュースで。

 

 

 

 

 

以下、朝日デジタルニュースを原文のまま記事をアップします。

 

 

 

インドネシア・スラウェシ島中部の山岳部、トラジャ地方。中心都市ランテパオにあるサッカー場ほどの野外市場は昨年12月の朝、ごったがえしていた。

 

 

 

 「ボンガ(白黒のまだら模様に青い目)だよ」「角が丸く弧を描いているよ」

 

 

 

 買い手たちを立ち止まらせている売り文句は、水牛の重量や肉質ではない。角の形や肌の模様、目の色、背中の形など、外見だ。

 

 

 

 近郊のタルンリップ村で息子夫婦と一緒に細々と稲作をしているマーサ・サンペさん(72)がこの日、3500万ルピア(約30万円)の大金で買うと決めた1頭も、決め手は背中に6個あるこぶ状の肉の隆起。

 

 

 

 ログイン前の続き「トラジャの山並みのようでしょう。天まで上っていける」

 

 

 

 トラジャの人は、水牛が死者を、先祖がいる「プーヤ」と呼ばれる「あの世」へ乗せて行ってくれると信じ、葬儀でいけにえにして食べる。そのため、この市場が週2回開かれるのだ。

 

 

 

 左右で非対称に曲がった角、白い額、白黒のまだら模様、こぶ状の隆起がある背中――。死者を「あの世」へ運ぶ役目を果たすには、様々な外見上の基準があるという。

 

 

 

 推定100歳という地元の長老ポン・バンネさんは「神はまず人間を作り、地上に送った。その次に作ったのが水牛。もっとも大事な動物なのだ」と話した。

 

 

 

 オランダによる植民地化の過程でキリスト教徒が多数派になった。だが、国内外に110万人いるトラジャ出身者の大半は、こうした世界観を持つ伝統宗教「アルクトドロ」(祖先の教え)を信奉している。

 

 

 

 マーサさんが水牛を買ったのは、母スーザン・サンバリさんのためだ。

 

 

 

 「ただいま、お母さん。すばらしい水牛が手に入りました。葬儀の日まで、水牛を守ってね」

 

 

 

 帰宅したマーサさんは、2階の部屋に置かれた棺のなかの、スーザンさんの遺体にそう声をかけた。

 

 

 

 スーザンさんは約60年前に夫を亡くし、女手一つで農業を営み、男女4人の子を育てた。20人の孫を支えた末、自宅で静かに息を引き取った。正確な年齢は不明だが100歳を超していたとマーサさんは言う。

 

 

 

 「うちは貧乏でね。子どものころ、母が『一生懸命働いてもあなたたち4人が食べるものがない』と泣くことが何度かありました。『我慢する』と言って、私も泣いたものです。心配した親戚が何度も再婚を勧めたけど、父を愛していたから拒んでいました。そんな母が誇りです」

 

 

 

 スーザンさんの数少ない遺品の一つは、自分をモデルにした絵はがき。約20年前、ある葬儀の関連で水牛の闘牛大会が開かれた際に外国人が撮影した写真をもとに作られ、土産店などで約2千枚が出回った。マーサさんは「気品ある表情が、自立した母の特徴を伝えています」と話す。

 

 

 

 実は、スーザンさんが亡くなったのは2015年12月22日。1年間も遺体がホルマリン漬けで保存されているのだ。親族全員が集合できる日程の調整が難しいことも原因だが、最大の理由は葬儀代が足りないから。

 

 

 

■経済成長、飼育農家が減少

 

 

 

 水牛の飼育農家らによると、プドゥクと呼ばれる一般的な黒毛水牛1頭の価格は、20年前なら平均200万ルピア(1万7千円)だったが、今は平均2千万ルピア(17万円)。ボンガは1億5千万ルピア(130万円)は下らず、10億ルピア(870万円)を超すものもある。

 

 

 

 高騰の要因は、インドネシアや周辺国の経済成長。トラジャ地方の最低賃金は月額225万ルピア(1万9千円)で、ジャカルタの3分の2ほど。産業の少ないトラジャを捨てて別の土地へ出稼ぎに出る住民が増えた一方、地元に残って水牛を飼う農家は減った。出稼ぎで裕福になった人々は多くの水牛をいけにえにする派手な葬儀を好むため、供給が追いつかないのだ。

 

 

 

 そのため、ほとんどのトラジャの葬儀は、死後数カ月してから開かれる。葬儀が終わるまで、死者は「トマクラ(病人)」と現地語で呼ばれ、役所に死亡届が出されないことが多い。

 

 

 

 「お金は大変でも、借金などでなんとかなる。母の努力のおかげで、親族の多くは出稼ぎなどでいい職を得た。だから、立派な葬儀にしてあげたいの」

 

 

 

 葬儀は1月に開かれる。それまでに24頭の水牛を親族一同で用意するという。

 

 

 

 12月の同じころ、ランテパオから北へ数キロのティカラ村では、ヤシの木から落ちて7月に67歳で亡くなった農業ルーカス・リリさんの葬儀が開かれていた。

 

 

 

 船のように反った形の屋根をしたトラジャ独特の家屋「トンコナン」が立ち並ぶ会場の広場に、2週間かけてランテパオの市場で購入した7頭の水牛が連れて来られた。1頭ずつナタで首を切ると、国内外から集まった約200人の参列者が歓声をあげる。続いて人々は老若男女問わず、裏の調理場などで水牛の解体と調理に取りかかった。

 

 

 

 「葬儀は親族が必ず顔を出さなきゃいけないのがトラジャの決まり。貴重な水牛を近所の人とともに分け合い、葬儀のために働き、絆を深めてきたのです」。マレーシアの出稼ぎ先から3年ぶりに帰国した、息子サレンパンさん(26)はそう話した。

 

 

 

 葬儀の終盤、若い親族男性らが赤い布で覆われた棺をかつぎ、山上の墓地へと勢いよく進みだした。妻トゥトゥさん(50)は門の先で見送った。

 

 

 

 「最初は悲しくて毎日泣き叫んだ。数カ月かけて夫の遺体と過ごし、今は理解できます。夫は水牛に乗って幸せにプーヤへ行き、私たちを見守るだろうと」

 

 

 

 用意した水牛7頭のうち、2頭は殺さなかった。一族の子らの教育資金として役だってもらうため、再び市場で売るという。

 

 

 

以上

 

 

 

今日はインドネシアでしたが、

 

葬儀の生贄は、いろんな国で行われていますね。

 

 

 

 

 

それにしても、まだまだ先祖を敬う気持ちが…

 

今のお年寄りは、どう思うのかなあ。

 

では。