駿台トラベル&ホテル専門学校・葬祭マネジメント学科の卒業制作発表が
巣鴨のキャンパスで行われた。
当日は4歳のRちゃんの幼稚園の発表会もあり、午前と午後で掛け持ちをする忙しさ。
高3の愚息の受験合格発表も含めれば、この時期は何かと発表会だらけである。
それにしても早いなあ。
私が学生を受け持つ時期は入学後3週間程度だから、葬儀に関する事は何も知らない。
云わば、ヨチヨチ歩きの時期だ。
だが、この時にこそ甘やかしてはいけないし、やる気を奪ってもいけない。
この匙加減がなかなか難しい。
私の講座が終わって9カ月、その後、皆はどのように成長しただろうか?
いつも楽しみにこの日を迎える。

近年、司会に関して文句はない。
即戦力に近い人が続出している。
この日も素人とは思えない司会をしていた。
いつまでたっても基本は忘れないで欲しい。
今年の発表は3班に分かれ、それぞれ
①「新しい視点の営業~葬儀単価の下落にストップ~」
②「無縁供養の提案~新しい無縁の捉え方~」
③「GAP~業界のあるべき姿をピックアップ~」
1年の学生生活しかないから詳細な研究発表とまではいかなくても、
学生だからこその発想として面白いものもある。
逆いうと、現実を知らないから生まれてくる感性なのか。
①新しい視点の営業~、葬儀単価の下落を営業の視点から食い止めたい、
というような話だが、意気込みは買うけど学生には重すぎるテーマだった。
市場原理から見て葬儀単価の下落は動かないだろう。
葬儀単価の下落を食い止めるには、ビジネスの再構築云々となるので、
テーマが大きすぎたかな、学生には荷が重かっただろうと思う。
私は②、無縁供養の「シェア」の実現という話は、もしかすると実現可能だなと思った。
直系卑属(子や孫)を持たない人は増えている。
独身のまま生涯を終える人も増えている。
生活スタイルが変わった。
いずれにしろ、何がしかの理由で孤独死、或いは無縁仏になったとしても、
墓やお葬式などを「シェア」するシステムがあれば気が楽になるだろうな。
海洋散骨や宇宙葬は既に「シャア」しているし、
田舎の寺には無縁仏になった墓地が沢山ある。
法的な問題も多いが、使い道は考え方次第であろう。
③GAP~業界のあるべき姿を…これは新しい発想がない。
しかし、データが結構あり、惜しかったなあと思えた。
もっと時間と予算とやる気があれば…
宗教者と葬儀社にはある程度(勿論少ないのだが、今回はやる気がありました)取材をしているのだが、葬家(遺族)を学生がやっているのではデータにはならないだろう。
一番大事な「遺族の視点」が弱く(或いは、無く)、非常に残念であった。
「祭壇を組みたててみた」「人を運んでみた(生きている人だけど)」「教会に行った」「座禅を組んでみた」「エンバーミングを見学した」「打ち合わせに同行した」…
こうして1年間、葬祭に関する様々な事を学び社会に巣立って行く。
ここからがスタートだ。
「粘り」「継続」を大切に、コツコツと歩んで欲しい。
悩んだ時は、自分の判断基準を見直してみたら。
判断基準は、個別に違うから。
そう思って乗り越えてください。
最後に、卒業おめでとうございます!