シェリムアップ1 (井手)

 

プノンペンから北西へ250キロ。高速道路はないが、郊外へ出れば信号もない。

 

飛行機だと50分…次回は飛行機にしよう。

 

車に揺られての6時間…宴会の6時間は少し長い。

 

 

 

不思議な雰囲気のある街だ。

 

昔から歴代の王たちが、その力を競い合うかのようにして都城を築き、

 

お蔭で街の周辺には多くの遺跡が点在している。

 

遺跡の街…古都…シェムリアップ。

 

 

 

見どころも、遊ぶところも多い、飽きない街だ。

 

到着した今夜は、ナイトスポットから。

 

クメール文化の華「アプサラの踊り」。

アプサラとは、天女・天使のこと。

 

ポル・ポトの時代、300人を超す先生や踊り子のうち90%以上が処刑された。

 

難を逃れた数人の先生によって復活したのだ。

 

クメールの踊りはジャワ島のヒンドゥー文化の影響を受け、

 

遡ればインド文化がルーツらしい。

 

どことなく共通点があるような気がしてくる。

 

踊り子の手足が、反り返った手足が、

 

その生命の誕生から死に至るまでを表現しているというのだ。

 

 

 

もう一つは農耕をする男女が出合う、分かり易い踊りだった。

 

この踊りは「アプサラの踊り」ではない。

 

フィッシャーマンズ・ダンスといって、村の男女の恋の駆け引きを

 

コミカルに描くから伝統的なダンスだ。

 

伝統的な竹製の魚とり籠を手に持って踊ったりしてくれる。

 

もう一つは、金の人魚のダンスだ。

 

「ラーマーヤナ」の一節。奪われた姫奪還のためサル軍の将が、

光り輝く金魚に助けを求めるワンシーン。

 

食事もそこそこに夜の街に出た。

 

凄まじい大音量で街が揺れていた。

 

恐らく、地震が来ても分からないだろう。

 

因みに、カンボジアには地震がないらしい。

 

だから遺跡が残ったとも言える。

屋台が軒並み並んでいる。

 

ナイトマーケットを見て何も買わず、

 

屋台でフォーのようなラーメンを食う。

 

斜め先には、大音量の源「PAB STREET」が見える。

 

別に死ぬわけじゃないから、思い切って突撃。

 

♬♪・・・・・

隣の人の声が聞こえない

 

来たばかりなのにトュクトュクの兄さんたちが客引き。

 

ごった返して真っ直ぐには進めない。

 

外人の数の多さに驚くなあ。

 

アンジェリーナ・ジョリーがトゥームライダーの撮影で1ヶ月カンボジアに滞在した時、このパブストリートに通い詰めた話は有名だ。

 

 

 

こうしてシェリムアップの夜は更けていきます。

 

次回は、世界遺産「アンコール・ワット」

 

では。