昨日は、真言宗の開祖・弘法大師空海が
承和2年3月21日(835年4月22日)、
62歳で高野山・奥の院で入定した日。その入滅は単なる死ではなく、
深い禅定に入った状態であると信じられ「入定」と言われます。
真言密教を中国から日本に伝来し、土木、建築、医療、教育、学芸など、
あらゆる分野に才能を発揮した空海はいわば日本人のヒーロー。
そんな空海が残した名言を少しご紹介します。
◇修行して悟りを得ようとする人は、心の本源を悟ることが必要である。
心の本源とは清らかで綺麗な明るい心である。
◇周りの環境は心の状態によって変わる。心が暗いと何を見ても楽しくない。静かで落ち着いた環境にいれば、心も自然と穏やかになる。
◇人間は誰もが胸のなかに、宝石となる石を持っている。
一生懸命磨いて、美しく光り輝く玉になる。
◇他人の利益をはかるように努めていると、
苦しみの世界に行く因縁が消える。
◇もし自分に適していることにその能力を使うなら、
物事は極めてうまくゆく。しかし、自分に向いていない物事に、
その能力を使うなら、労多く、益は少ないだろう。
◇嫉妬は自分とそれ以外の人とは別々の存在だと思う心から生じる。
もし自分と自分以外の人を別ではなく、同じ存在だと見ることが出来れば、嫉妬することがなくなり、公平な心になり、全ての人の善行を心から賞賛できる。
◇心を和らげて耐え忍ぶという心の鎧を着て、目的に向かって努力するとい
う兜をかぶり、人として守るべきルールや道徳を守るという馬に乗り、心を静めて落ち着けるという弓を持ち、正しい事と悪い事を分別するという矢を射って外には悪の軍勢を破り、内には心の賊を滅ぼす。これを仏という。
◇道理に迷って苦しむのも、自分の中にある仏に目覚めて正しく励むのも、みな自分の決心次第である。
◇つまらない人は、善行と悪行の区別がつかず、その因果も信じることが
ない。目の前の利益だけを見ているので、その因果は必ず返ってくる。
◇ものの道理を見る目が開いていれば、身の回りのもの全てが大事なもの
だと分かる。
◇仏として生きる道は遠いところにあるのではない。すぐそこにある。
真言宗の教えだけでなく、さまざまな分野で成功を治めたことや、
秀才肌でまじめな最澄、天才肌で外交的な空海、
この二人の出会いや決別のエピソード、日本にもたらしたものなどなど、
興味深くて調べる手を止められない。
END