文字を忘れた(井手)

 

そろそろだな。

 

もう一週間もすれば咲くよな。

 

鼻炎の症状が少しずつ穏やかになるのか、

 

それとも薬で乗り切ることに慣れてしまったのか、

 

花粉が飛ぶことよりも桜の開花が待ち遠しい320日春分の日。

 

 

 

 

それにしても4月から大学へ通う息子は気が楽そうだ。

 

私もあのように極楽とんぼだったのだろうか。

 

 

 

今日、石原元都知事の喚問があった。

 

2年前の脳梗塞以来、

 

「漢字を忘れた、ひら仮名も忘れた…」

 

というような発言があり、全く別の事を唐突に思い出した。

 

 

 

私も47歳の時、軽い脳梗塞を患い、同じような症状が出た。

 

講座で何度も伺っているのに、大きな駅名は覚えているが、

 

そこから在来線で移動する時に、小さな地名や駅名をすっかり忘れているのだ。

 

しかし、その駅の雰囲気というか、その景色は完全に記憶している。

 

全国の中で記憶に残っていたのは、福岡だけだった。

 

 

 

恐らく、脳の中に血が流れた際、右脳は一切影響を受けず、

 

左脳の奥にしまってある古い記憶にまでは到達しなくて、

 

割と新しい表面の部分だけ影響を受けたらしいのだ。

 

確かに、漢字も書けなくなったし平仮名カタカナも幼い子の字のようだった。

 

当時、小学校5年生くらいの漢字ドリルを購入して日々書いていた記憶がある。

 

それでも、未だに筆圧が完璧には戻らない。

 

講座の時は、何とか誤魔化しているが、色々と試験を受ける時は緊張する。

 

これでも大分良くなった。

 

そんな事を急に思い出した彼岸の中日であった。