日経サイエンスで久々に興奮する記事。
最寄りの恒星に「亜光速」でミニ探査機を送り込む構想、スターショット計画。
夢が有り過ぎるよ~!
「亜光速」とは光の速さの20%の速度。
この調子ならウルトラマンの故郷M78星雲(銀河系から300万光年)にだって行けないことはないぞ。
何気なくサラッと書いているが、その内容は、
シリコンバレーの大富豪たちの資金援助を基に、
【ブレークスルー・スターショット計画】という誠に大胆不敵な話。

太陽系のお隣の恒星の一つに、アルファ・ケンタウルス星があり、
そこに一種の宇宙船を送り込むという計画だ。
宇宙船と言っても、「一種の~」というだけに大きさ15mmほどの極小さなもの。
その概略は以下だ。
地表から通常のロケットを地球軌道に打ち上げる。
これを母船として、ここからチップとライトセルという帆を結んだもの(ナノクラフトという)を毎日3年以上に亘って放出する。
この帆(約4メートル四方)に地表からレーザー光線を照射、
その光圧によって推力を生み出す。
レーザービームを数分当てるだけで亜光速に達し、その後は慣性で進み続ける。
チップはスマートフォンのチップを基に作られる。
こうして異星間を20年で旅するのだという。
目的の星に到達すれば、チップから地球に連絡を送るという。

2010年5月、日本が打ち上げた世界初の宇宙ヨット「イカロス」は、
金星に向かう軌道に乗せられた。
イカロスは1辺14メートルの正方形の帆(かなり大きい)で、
太陽光を受けて推進力を生み出し、毎年秒速約100mずつ加速を続けている。
宇宙はマイナス270度の極低温だが、帆の太陽光を受ける側では120℃。
その差は400℃近く過酷な条件下である。
このイカロスによって基本技術が証明され、
今回の【ブレークスルー・スターショット計画】に繋がったのだ。
人間の好奇心は物凄い。
今、人類は異星を目指しているんだ。