ソメイヨシノは雑種である。
このことは近年メディアで宣伝され意外と知られるようになった。
明治の初期、東京の染井村の植木職人から広まったとされる。
「エドヒガン」と「オオシマサクラ」を掛け合わせたといわれている。
ヤマザクラが葉と花が同時に展開するのに対して、
ソメイヨシノは鼻が先に展開する。
挿し木などの栄養生殖によって増やすので、遺伝子は皆同じ
所謂、クローンである。
クローンだからこそ、同地区のソメイヨシノは開花時期が皆同じ。
見事な桜前線が出来上がる。
日本人は、色々あって良い…というより、本質的に皆同じが好きなんだと思う。
民族性だろう。
ソメイヨシノを推奨したのは、明治政府だと言われる。
新政府は、江戸時代のサクラの象徴であるヤマザクラではなく、
新しい時代の新しいサクラの象徴としてソメイヨシノを押したのだ。
そしてソメイヨシノは富国強兵の波に乗り、あっという間に全国に上広まった。
ソメイヨシノの特徴は、
1.サクラ類の中で最も大きく成長する。
2.かなり長命で、親であるエドヒガンを凌ぎます。
3.樹齢50年で高さ15m、枝張り20mが平均的なサイズ。
4.クローンだから隣接する木の枝を自分自身と認識し受け入れてしまいます。
5.樹幹上部の枝は、陽光を求めて上え上えと可能な限り伸びようとします。
結果、日照不足を招き樹勢衰退が始まるのが、40年過ぎからです。
クローンが招く悲しさですかね。
現在は、第二次世界大戦後に植えられたものが、そろそろ寿命だそうです。
大切なのは、樹木が健康に育つ環境でしょうから、
その環境はクローンにとって住みやすい環境を整えてあげることでしょう。
それにしても日本人が大好きなサクラが「クローン」とは、
考えさせられますね。