「D」の思い出 (井手)

 

若い時、忘れもしないが「失われた過去」というTBSの昼ドラに出ていた。

 

衣装合わせでチョットしたトラブルがあり、その担当者と揉めた。

 

 

 

「失われた過去」とは、平淑江さんが主演で江藤潤さんや出始めの石田純一さんが脇を固めて、

 

芦沢先生が脚本を担当した。

 

芦沢先生の推薦で私は出させていただくのだが…

 

 

 

その揉めた時、どこからともなく現れて軽い仲裁に入ったのが「D」君だった。

 

何を話したかは覚えていない。

 

しかし、何らかの思いは通じたのだろう。

 

意気投合した。

 

 

 

高知出身で学生時代は野球をやっていたという。

 

じゃあ、うちの草野球チームの応援に来ない?

 

それからである。

 

長い付き合いが始まった。

 

 

 

下の写真の一番左端に立つ、ユニフォームがまだ支給されていない男が「D」である。

 

私より6歳も若い。

 

「D」君が亡くなった…

 

 

 

電話で報せを受けたときは冗談かと思った。

 

ショックだった。

 

癌が発見されてから2ヶ月だったという。

 

 

 

言葉に紡ぐことが出来ない思いが渦巻いている。

 

いつでも会えると思っていた人が突然姿を消してしまう。

 

悲しみが癒えることはあるのだろうか。

 

 

 

このチームから、脚本家の永原秀一さん、監督の山下憲章さんも亡くなった。

 

時の流れは、無常だ。