返品(Nishida)

母の大好物:ひつまぶし

 

 

 

 

母の誕生日には、毎年プレゼントを用意するのですが、

必ずと言っていいほど、毎年、プレゼントが返ってきます。

 

どういうことかと言いますと、誕生日の後しばらくすると

母は私に貰った物だと知ってか知らずか、

バッグもストールも、オーダーメイドのジーンズも、

「これ使う?」と持ってきます。

失礼極まりないのです。

 

しかし今年は珍しく、「これが欲しい」とリクエストされていました。

車を手放し、徒歩で出かけることが増えたので、

ショッピングカートが欲しいとのことでした。

それならば実用的だし、私に返品してくることもない。

いつもそうしてくれると有難いなぁ~と思いました。

 

そしてネットで購入し、商品が届いた日のこと。

母から電話がかかってきて、出るや否や

「あれ、キャンセルして!!」と言いだすのです。

 

「実は今、ジジと専門店にいて、買ってくれるっていうから

そっちやっぱり返品してくれる?

今年は新しい返品パターン。

さすがにカチーンって音、聞こえました。

 

ほとぼりが冷め、誕生日当日は食事の約束をしていたので、

せめてもの思いで花束を用意しました。

おいしい鰻を食べ、じゃぁまたね、とバイバイしたとき、

「あ、あんた、これ持ってく?」と、ななななんと、

その花束を差し出してきたのです。

 

母ったら・・・ことごとく・・・

もう「天然」なんて可愛いもんじゃすまされまい。

こんにゃろめ。

 

 

END