魚屋ありき(Nishida)

地元の夏祭りはけっこう盛大で規模も大きいのですが、20代のとき、

友達同士でその祭りで焼きそばの露店をやろうということになりました。

 

仲間は4人。うち一人は両親と魚屋を営んでいました。

言い出しっぺのその彼がリーダー。

毎週のように飲むようなメンバーなので、ああだこうだと

お酒の席で打合せをし、それぞれの意思を確認し合いました。

と言っても、まずは出店希望者の抽選に当たらなくてはならず、

出店するにあたり必要な申請や手続きから、

置かなければならない食品衛生管理者も調理師免許を有する彼が。

 

後日見事、抽選に当たったと連絡が。いよいよ始動です。

まずは仕入れなどコストをできるだけかけずに・・・

そこでまた彼登場です。

その魚屋の隣は八百屋、そのまた隣は精肉店。

しかも親戚同士。つまり有難いことに焼きそばの野菜や肉は、

かなりご協力いただいたのです。

 

仕込みは閉店後の魚屋で皆で行い、食材を保管する冷蔵庫も、

発電機や2tトラックも鉄板ももう何もかもぜーんぶ魚屋にある。

そして協力してくれている八百屋や肉屋や彼のおじちゃんおばちゃん達にも

失礼が無いように、私達その他3人は「楽しそう」という浮いた気持ちから、

真剣な仕事モードに切り替わり、時折様子を覗きに来る他の友達も

一歩引いてしまう位の雰囲気だったんだとか。

 

それぞれ仕事を終えてから集合し、

数日間夜中まで準備を行いついに迎えた当日。

麺やソースを試行錯誤した甲斐あって、屋台の焼きそばにしては

具だくさんで「うまい!!」って言ってもらえるものに仕上がりました。

しかも周りが400円~500円で出しているなか、300円で勝負に出ました。

 

朝の設営から焼きそばが完売する21時頃まで

行列が途絶えることは無く、私達も「焼きそばハイ」。

言葉が無くても察して動く凄まじいチームプレー。

さすが毎週飲んでるだけのことはある()

 

とにかく全力で楽しかった。

そして・・・2日間ですごい売上でした。

その後、小さな規模の祭でも出店してその夏は終えました。

 

夏だ、祭りだ、と聞くといつも思い出す楽しい思い出。焼きそばロス。

私の祭り好きの原点はこれ。祭は遊びに行くより参加した方が楽しい。

 

体力的に若いから出来たというのは否めないが()

今はみんな子どもが大きくなってきたので、

あのメンバーでまたやりたいなぁ~。

 

END