児童虐待防止(井手)

昨日まで児童虐待防止推進月間だった。

いつまで経っても児童虐待の痛ましいニュースは後を絶たない。

それどころか様々な対策が叫ばれるが歯止めがかからない、

 

その解決に糸口は…

 

(写真と本文は関係ございません)

 

1125日のニュースより(抜粋)

(流通科学大学教授 加藤曜子氏)

 

児童虐待について、児童相談所へ相談があり、対応した件数2016年度は約12万件でした。1990年度から毎年増え続け、かつ伸び幅が大きい。社会で広く知られて通報が増えたことに加え、子どもの目の前で親が配偶者に暴力を振るうことも「心理的虐待」として認識されたからです。

 むろん、子どもに暴力を振るう親は依然として減っていない。9割以上の人が、子どもが生まれたときに「うれしかった」と答えているのに、なぜでしょうか。

 日本では90年代に入るまで、ほとんど社会問題になっていませんでした。70年代、コインロッカーに赤ん坊が遺棄される事件が続きました。しだいに育児ノイローゼや、育児不安など、追い詰められている親の問題として知られるようになります。それでも、日本では米国で多発しているような児童虐待は起きないと言いきる日本の学者もいたほどです。

 

行政の対策は、2000年に児童虐待防止法が成立したことが節目となり、進みつつあります。しかし、対策が追いつかず、増加に歯止めがかかっていません。

 虐待の要因となる子育てのストレスは、近年ますます高まっています。背景の一つに、貧困問題があります。もちろん、貧困が必ず虐待を引き起こすわけではありませんがストレスの一つです。シングルマザーは働いても賃金が低く抑えられ、保育園も育児サービスも足りない。また、子連れで再婚する家庭など、家族の形も様々です。うまくいかなければ、ストレスになりがちです。

 いま、社会の寛容さも失われています。夜の住宅地では、子どもの泣き声でさえ警察や児童相談所に通報されかねないと、親は神経をすり減らしています。保育園の声がうるさいと、周囲から苦情が出るほどです。子どもを産まないというカップルも増え、子どもをみんなで支えて大切にしていこうという意識が乏しいように思えます。子どもの数だけでなく、価値までも低くなっていると思わざるを得ません。

 対策はと言えば、昨年、児童福祉法などの改正により、ようやく予防に力が注がれるようになりました。国も自治体も、親を支援する方向に向かっています。母親が10代や未婚、望まない妊娠、周囲のサポートがないといったリスクを抱えている場合、妊娠中から支援をすることになりました。早い段階から家庭訪問をしたことで、虐待を防げた自治体もあります。

 市町村を中心に、学校、児童相談所、児童福祉施設、医療機関、警察などのネットワークづくりが努力義務になったものの、機能していないところも多い。専門的な知識や意欲のある人が、地道に丁寧にかかわる必要があります。役所には熱心な人もいる一方で、部署を敬遠する人もいます。また、虐待を受けた子どもへのケアも遅れており、対策が急がれます。

 虐待を減らすための社会資源がまったく足りません。予算だけでなく、専門的な知識と意欲を持った人材も必要です。保育士の給与が低いことや、市町村の担当者がすぐに代わってしまうことは、子どもを大切にしようという意識が低いからです。子どもを社会で支えようという意識が根付かない限り、虐待問題は終わりません。

 

以上

 

流通科学大学教授の加藤曜子氏の話は、良く分かります。

虐待を減らすための社会資源が足らない。

予算と人材も同様。

役所の担当者が直ぐ代わることのデメリットの大きさ。

要は、社会全体の意識の低さ。

 

言いにくいことをキチっと書いて下さった。

有り難いと思います。

 

 

では。