トカゲのしっぽ…(井手)

 

トカゲのしっぽ…と言えば、「トカゲのしっぽ切り」という諺が有名。

不祥事などが露見した際、下位の者に責任を被せて上の者は追求から逃げることをさす。

割と日本人が頻繁に使う諺ですね。

 

トカゲは、窮地に陥った時に自らのしっぽを切るが、

どのトカゲも切るわけではなく、種類によって切らないトカゲも多い。

更に、自分の意志で切ったものでなければ復元はしないし、

何度でも切れるわけでもないようだ。

復元する場合でも、厳密に云うと、一度切ったら同じように復元するわけではない。

栄養の状態に左右されることもあるし、

外見からは同じようにしっぽが復活してように見えるが、全く同じではないのだ。

また、カニやクモも自切する動物であるが、カニの○○切りとは言わない。

クモも絵面が良くないのか…切るのが、尾ではなく手足だからか、同様である。

 

 

 

有名なのはヒョウモントカゲモドキで、その尾は体重のほぼ1/4を占める。

1/4もの体を失って、生きていけるのは不思議だ。

自切したその大きな尻尾は、暫くの間勢いよく跳ね回り注意を引く。

その隙に逃げおおせてしまうというわけだ。

 

トカゲのしっぽ…と言えば、「振る」ことの重要性が指摘されている。

1/4にあたる体の部位を失って、トカゲは大きくお尻を振って歩くのだ。

それは、しっぽがあった時の名残と思われていたが、

最近の研究でバランスを取っていることが分かってきた。

身体の1/4はやはり大きな痛手である。

 

愚息が動物学科だから、その影響で動物の研究に興味を持った。

自然界に暮らす様々な動物からヒントを得て、

AIなどに活用することが大きいと聞いている。

例えば災害時、救助用ロボットの身に被害が生じても、

その時にどう対処して任務を遂行できるように身体を動かすのか。

自然界の動物の体の仕組みから学ぶことは沢山あるはずだ。

 

 

 

今、「バッタを倒しにアフリカへ」を読もうと思っている。

 

 

では。