友達のツボ(Nishida)

息子の歯の定期検診に行った日のこと。

友達が助手で務めている歯医者さんに通っています。

「親御さんは待合でお待ちください」ということで、

治療後に院長から歯の状況や治療方針などの

説明を受けるのですが、どうも、聞こえの悪い私にとって、

声の小さな院長に苦手意識を抱いていました。

院長のことは当然友達に話したこともありませんが、

長い付き合いで耳のことは彼女も知っています。

 

またいつものように、院長から説明を受けたあと、会計待ちをしていたら、

彼女が顔を伏せ、口を押さえ、プルプルしながら近づいてきました。

「今、全っ然聞こえてなかったっしょ」と笑いを殺した耳打ちをされました。

「え」と答えに詰まると、「やっぱり~!!院長声小さいから絶対聞こえてないと思った!!

それにしても聞こえてる風の受け答え、上手すぎ!!」と妙なとこを褒められ、

「来週、乳歯抜くってよ」と肝心な部分を教えてもらいました。

 

後日その子と食事をした時に、改めてその話になり、彼女いわく、

私は恰も聞こえているように対応するのが上手いんだとか。

どうもそれが毎度、彼女のツボに入るらしく、面白すぎるーと大笑い。

いやいやいやいや、めちゃめちゃ悩んでるのよ?()

「え?」と聞き返せるのはせいぜい2回だし、

2回目で聴き取れなかったらもう最悪。人数が増えると特に、

必死に耳に意識を集中させても、話が飲みこめなくて辛い。

7割、周りのリアクションで話の流れを予想する→もう違う話題になっている→

展開早すぎで付いていけない。ある意味コミュ障。

そして身に付けた護身術を彼女は無遠慮に笑い飛ばすから、

自分でも可笑しくなってくる。

 

親しい友達はみな声が「大きい」か「でかい」人が多い。

だから、安心()

 

 

END

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