2015年まではアマチュアの強豪レベルにすぎなかった囲碁のAIプログラム。
世界で最も複雑な思考ゲームだからこそ、それなりに注目も浴びていたが…
2016年、グーグルから「アルファ碁」が発表されるとプロ棋士のレベルに。
「アルファ碁」は、過去の人間の対戦棋譜全てを、
ディープランニングによって大量に学習していた。
2017年には、人間の過去の棋譜の知識を使用せず、
囲碁のルールだけから強化学習(24時間AI同士の対戦など)によって、
圧倒的な量の知識を得た「アルファゼロ」が、驚異的な強さを見せた。
人類が生涯かけて囲碁をしても、到底叶わないレベルの対戦を熟している。
もう、人間のレベルを遥かに超えている。
囲碁という個別の問題で人類を超えることと、
全般的に人類を超えるスーパーAIは、技術的な難しさがまるで異なるだろう。
しかし、いつの日は、その日は来る。
もし人間にとって友好的な振る舞いをしないスーパーAIが出現したとすれば、
その振る舞いを正そうにも、人間の試みはカンタンに阻止されるだろう。
彼らにとって人間の考えていることぐらいオミトオシなのだから。
そうなれば、人類の運命はそこで封印されてしまう。
大袈裟ではなく、人類消滅の危機も有り得るのだ。
現在言われているシンギュラリティ(特異点)…AIが人類を超える日…が、
2045年に起こるかどうかも不確かだ。
しかし、いずれその日が来ることだけは間違いない。
そんな本、【スーパーインテリジェンス】が大変興味をそそる。
私にとっては近未来のSF小説のようである。

人類が知能という武器で、圧倒的な存在として地球に君臨してきたが、
その人類の知能は、自らより優れたライバルを誕生させようとしている。
核や戦争やウイルスよりも怖いかもしれない。