葬祭ディレクター技能審査…改正臓器移植法 (井手)

学科試験の設問は、この20年強の間に多岐にわたり、難易度も毎年のように変化する。

しかし、そのレベルは全体を通して確実に上がっているのは間違いない。

設問の傾向を見ていると、例年多くの法改正があり、

それが葬祭業界に関連するものであれば出題頻度は高くなるようだ。

具体的には、前回書いた少額短期保険、相続、個人情報保護法、

日本人の死因トップ5の入れ替わり、墓埋法、監察医制度の変更などである。

今日はその中から、臓器移植法の改正について。

 

1997年(1016日)臓器移植法が施行された。

これにより脳死後の心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸などの提供が可能になりました。

人の死は通常、心停止だが、臓器移植を前提とする場合にかぎり脳死を人の死としました。

また、斡旋を含め臓器売買を禁止することなども盛り込まれました。

しかし、脳死後の臓器提供には、本人の書面による意思表示と家族の承諾を必要としており、

この意思表示は民法上の遺言可能年齢に準じて15歳以上を有効としていました。

施行後、1999年に初の脳死臓器提供が実施されましたが、

その後の実施数は増えず、年平均で10例程度にとどまったのです。

規定が厳しすぎることが原因との批判を浴び、

2009年に改正され、家族の承諾による脳死臓器提供が可能になりました。

これにより実施数は5倍以上に増えました。

改正により15歳未満からの脳死臓器提供も可能になりました。

 

今年は、臓器移植法制定から21年目。その間2009年に改正されました。

 どこがどのように改正されたのかは、基本ですから押さえておきましょう。

 

では。