初級講習会を終えて (井手)

 

全農様主催の3日連続の初級講習会も79回目を迎えた。

20年以上続く息の長い講座だが、その間にテキストやプログラムの変遷も何度かあった。

その理由は、時代のニーズにマッチしたカリキュラムの構成を考慮するからだろう。

同じ初級講座であるが、その中味は時代によって変わる。

 

 

 

例えば20年前、最も盛んだったのが「幕張」の講座。

当時、上手に幕が張れるというのは葬儀スタッフにとっての必須技能であった。

幕張講師は羨望の的だった。

【余談】親指が異常に大きな新人がいたりすると

「おおっ、画鋲がスポッと打てそうな、素質のある立派な親指だ」と歓喜したものだ。

今にして思えばお笑いだが…彼の前職は自転車屋だった(だからだね)

 

現代は、初級講座でありながら「事前相談」「相続」「関連法規」そして終活関連等、

私の司会は相変わらずだけど、全体のカリキュラムは様変わりしている。

私から見て、初級講座ではない感じがしているのだ。

経験5年以上程度のスタッフに教えた方が宜しいのではないかと思う。

 

そもそも初級講座の参加者も目減りしているし、今のような中味の濃いカリキュラムなら

中堅のスタッフに集まってもらった方がより効果を発揮するのではないだろうか。

その内にご提案してみたい。

 

私の講座は司会であるが、初級は単純に「言葉」と「文字」の関係。

そして、音法を活用したアナウンス理論を知ってもらい、正しい方向を教え導く。

どうやるかというと…CD教材を使って継続的に学んでいただくのだ。

人間には「発声学習能力」があるので、それを刺激すればよい。

 

この辺りの理屈を知ってもらい、私が実践して見せると、自社の司会者の巧拙が分かる。

今まで、聞こえなかった「音(音声)」が、聞こえて来るのだ。

知る・知らない、教わる・教わらない…これはかなり大きな違いを生む。

 

講座には全く出てこないところもある。

誠に残念だ。

こちらとしては水滴石穿(せきせん)の思いだ。

継続は力なりを信じてやり続けるしかない。

 

次は5月だ。