ウソ替え (井手)

 

最近、猫を飼いはじめた。

雑種だから猫種は不明だが、私の心のように真白いメス猫である。

「すずめ」と命名した。

 

悩んだ末、朝ドラの楡野鈴愛(にれの・すずめ)から気持よくパクッたものだ。

 

猫のCMがあったら出したいくらいだ。

(親馬鹿である)

 

本来、スズメとは鳥類であるが、そのスズメより一回り大きい小鳥で

「ウソ」という鳥をご存じだろうか。

正式には、スズメ目アトリ科ウソ属に分別されるそうだ。

名前の由来は、口笛を意味する古語の「うそ」から来ているとか

他にもいくつかあるが、口笛のような鳴き声である。

それを映像で確認していただきたい。

 

 

確かに、鳴き声が口笛のようである。

 

ところで先日、神事で「うそ替えの儀式」なるものを初めて知った。

我ながら物を知らない事の悲しさよ。

神事といえば葬儀以外で興味を持ったことがなく、まるで門外漢である。

ましてや、ウソという鳥の名前すら知らなかった。

ダブルで、左右のフックを連打で食らったようなものだ。

 

夏の盛り、九州でセミナーをやらせていただいた時に司会者仲間と一杯やった。

その方から教わったのである、太宰府天満宮の神事であると

これは(以下写真)大宰府の菓子折りの中に入っていたものだから本物とは違うはず。

だが、こういうモノを境内で取り換えっこする神事らしい。

 

 

 

調べてみると、「鷽替え神事」には、前の年に知らず知らずのうちについた全ての嘘を

天神の誠心に取り替え、これまでの悪いことを嘘にして

今年の吉に取り替えるという意味があり、

毎年1718時より楼門横の天神ひろばの斎場にて行われる、という神事らしい。

 

参加してみたいが、私は1年間につく嘘が膨大だから、参加資格がないかもしれない。

天神様に「いい加減にしなさい」きっと怒られるだろう。

「替えましょ、替えましょ」と呑気に掛け声をだして、

誰彼かまわず暗闇の中で交換しようとすると、

「ちょっと待った!」と天から声が降り注ぎ、

「お前は駄目」と、ひょいっとつまみ出されているだろうな。

 

それにしても、大きな声じゃ言えないが、

書いているのだから声も出ないけど、

えー、そんなことも~っと思われるような嘘も

天神様は取りかえてくださるのだろうか。

 

私は41日だけでいいかな。

日本の神様は、心が広すぎます。

 

 

因みに、「木うそ(初穂料1,000円)」には限りがございます。