著者とは10数年前、ユニコム様が都内で開催していた司会講座の終わりに、その当時の編集長が異色な人物を紹介しますということでご一緒したのが最初の出会いだ。その時は、関西の葬儀社でのエピソードや落語の世界でのお話など、どれも面白い話ばかり。その後、葬祭フェアにご招待させていただき、最後は2年前、ある葬儀社様主催のパーティで偶然同席。縁は異なもの不思議なもの(味なものといえば勘ぐられる)でしょうが、彼のご活躍は目に余るほど…
連日猛暑日が続く8月の下旬だったか、熊谷市が41.1度という当時最高気温を記録した後のことだったと思う。ライン電話がなった。見ると娘からで、また「すずめ」とFaceTimeのお時間かと思ったら、ただの電話だった。
「父、梅なんとかさんから、本が届いてるよ」
「? 誰?」
「えーと、梅田さん」?
「あ、落語家さんだ」
因みに「すずめ」とは、我が家で飼い始めた白い可愛いメス猫である。

夏のツアーの終わり頃、やっと「すずめ」に会えると帰宅して包みを開けばこのような本が。数年前、シナリオで何か賞を取っていたのは記憶にある。そういえば最近たまに見かけるFacebookで本を出版するとかいう話を思い出した。

ネタバレしてしまうといけないので話の筋は言えませんが、非常に面白い本でした。
そこには戦後の昭和が描かれていて、同世代には思わず懐かしい名場面も登場します。
あの頃の子供と大人の世界が、暖かい目線で包み込むように吐露されています。SNSが発達し、価値観が変化した現代から見れば逆に愛おしい。
本の中でタイムスリップした自分がそこにいました。
著者は、海外での観光ガイドから旅行代理店へ就職、その後、葬祭業(互助会)を経て
37歳の頃から落語の世界へ、更に数年後、千葉大学で学ぶというという異色の経歴。
ホームページは以下。
文芸社から1200円で出版されています。
著者 梅田うめすけ
著者の落語の映像があった。少し前ではないだろうか。
枕で登場する伊能忠敬の世界を描いた「槇の家」も著者の作品、千葉文学賞受賞。
落語になかなか行けなくて申し訳ないです。