北関東家電戦争の終焉 (井手)

 

 

我が家の近所に、ヤマダ電機とケーズデンキの大型店舗が50mほどの距離にある。

 

電化製品は何でもあるし、とても便利で随分お世話になった。

 

また近くには、コジマ電機(1998年家電売上日本一)もあったのだが、

 

今ではビッグカメラに買収された。

 

日本全国の地方都市には、電気の大型店舗が近場で競い合う、

 

似たような光景が見受けられたはずだ。

 

 

 2018年、平成最後の大晦日に、朝日デジタルニュースにある記事が出た。

 

平成という時代に北関東で繰り広げられ、やがて全国を席巻した家電量販店。

 

ヤマダ電機、コジマ、ケーズデンキいずれもルーツは北関東にある。

 

 

 

群馬県前橋のヤマダ、栃木県宇都宮のコジマ、茨城県水戸のケーズデンキ。

 

その勢いは「北関東価格」と呼ばれるほどで、東京の秋葉原より安いと評判だった。

 

 

 

チラシには「1円パソコン」「80円テレビ」など、目を疑うような文字が躍る。

 

「他店より1円でも高ければ」は共通のスローガンで、

 

オーバーに云えば、日に何度も値札が書き換えられた。

 

比較広告の表示価格を巡っての訴訟合戦も強烈、これが「北関東家電戦争」だ。

 

 

 

それは全国の地方都市を巻き込んでの戦いとなり、業界秩序を根底からぶっ壊した。

 

2000年頃のインターネットの影響もあったのだろうが、メーカー主導のヒエラルヒー

 

(階層的に秩殊づけられたピラミッド型の組織体系)は完全に壊れた。

 

 

 

時代が変わった。

 

1998年、コジマ電機が家電売上日本一に、2001年ヤマダがその座を奪う。

 

以降、ヤマダが業界首位を守り続ける。

 

 

 

今、家電戦争は急速に熱を失っている。

 

インターネット通販の急拡大が再び業界を揺さぶっている。

 

少子高齢化や人口減も追い打ちをかける。

 

 

 

平成の次の時代、キーは流通だ。

 

では。