今年も3.11の司会 (井手)

 

 

311日、今年も東日本大震災追悼式の司会で石川がお世話になります。

 

毎年のことですから慣れてはいるのでしょうが、

 

それでも「どうしましょうか」と相談されることが決まっている。

 

8年目になっても、いや、毎年やっているからこそ悩んでしまうのだ。

 

 

 

宮城県亘理町で執り行われる追悼式の主催は行政だが、

 

この街にある葬儀社4社が共同で施行している。

 

他会場の式典も同じだと思うが、追悼式典は230分開式。

 

開式前の案内などは全て終わらせてからの開式であることは一般の葬儀と同じだ。

 

 

 

 

 

そして230分から238分まで、それぞれに与えられた時間は正確に8分間。

 

238分からは全国一斉に政府主催の追悼式典(TV映像)に参加して、

 

総理大臣や天皇陛下のお言葉を賜り、これが246分の全国一斉の黙祷まで続きます。

 

その後は、各会場で弔辞や弔電、献花のご案内などをしているものと思われます。

 

 

 

毎年悩むのは、230分からの8分間の司会。

 

この与えられた8分間、どのような言葉を紡げばいいのか。

 

キッチリ8分間、というより、8分前に終わるのは良いとしても、

 

8分を1秒でも過ぎたらアウトのつもりで取り組んでいます。

 

しかし、時間の問題よりその中味だ。

 

 

 

毎年の原稿は取ってある。

 

改めて眺めると、初年後から決めていたことは、

 

配慮の無い司会言葉は絶対に使わないということ。

 

「流れる」、「沈む」、「揺れる」、「流される」「波」という類の言葉が該当します。

 

また、司会者の言葉の言い回しに於いても、お年寄りから小さなお子さんまで

 

誰にでも分かる優しい言葉を使うこと。

 

そして被災した地域で懸命に生きる人々の姿…

 

決して忘れてはならない未来へ繋ぐべき記憶…

 

様々に交錯する感情を柔らかい言葉にして、

 

毎年悩みながら原稿を作っているようです。

 

 

 

式典とはいえNHKTV中継でも、全国の皆さんに分かりやすく伝える。

 

これが司会者の言葉としてよく表れています。

 

 

 

 

 

TV中継から一部抜粋しました)

 

「続きまして1446分の時報を合図に、

 

東日本大震災の犠牲となられた方々に、黙祷を捧げたいと思います。

 

皆様、標柱の方をお向きください。

 

東日本大震災の発生から1446分で○年が経過します。

 

東日本大震災は被災地域が広範に及び、きわめて多くの尊い命を奪うと共に

 

国民生活に多大な影響を及ぼした未曾有の大災害でした。

 

この1446分に黙祷をささげるため岩手県、宮城県、福島県の各県や

 

青森県、山形県、茨城県、千葉県、栃木県、その他多くの市町村、

 

更には被災者の多くが非難されている○○県、○○県等におきましても

 

追悼式典が同時に行なわれております。

 

それら各県、市町村に参列されている皆さまと追悼の意を共有するため

 

この式典会場とおよそ70箇所にものぼる県・市町村式典会場とが

 

画像中継によって結ばれています。

 

それではここに、東日本大震災に犠牲となられた方々に対し、

 

追悼の意を表すると共に、心からご冥福をお祈りするため一分間の黙祷を捧げます。

 

黙祷…」

 

 

 

 

 

こんな感じです。

 

大変分かりやすい言葉を使われております。

 

(標柱が少しわかりにくいと思いますが…)

 

黙祷の後も、

 

「黙祷を終わります。ご着席願います。」

 

とシンプルに締めくくりますからね。

 

 

 

 

 

さて、今年もあと数日は悩みながら升目を埋めていくでしょう。

 

全国の会場で、与えられた8分間の時間の使い方が違いますから。

 

そして前日のリハーサルで最終チェック、この日が一番大変。

 

翌日、本番で頑張って来てくれるはずです

 

弊社も出来るだけ協力させていただきます。

 

 

 

では。