走りの人類史…4足走法 (井手)

 

 

 

日経サイエンスに興味深い記事が出ていた。

 

4足走行が、2足で走るあのウサイン・ボルトより早い可能性が出てきた。

 

人類のバイオメカニクス(生体力学)の話である。

 

 

 

スポーツ科学の専門家たちが議論することがある。

 

それは、水泳でクロール、バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎの4種以外で、

 

もっと速く泳げる泳法があるかもしれない、という話だ。

 

これを100m走に当てはめて考えてみたら4足走法に行き着くのは不思議ではない。

 

つまり、必ずしも2足走法が早いと理論的には言えないようである。

 

 

 

昔の人類は短距離も長距離も今より遅かったのである。

 

要するに、走ること、泳ぐことについては、まだ進化の過程にあるのだ。

 

 

 

 

歴史的にも人類は、チンパンジーの祖先から分岐した後(話が古すぎるけど)、

 

どうも2回ほど2足歩行にトライしているようなのだ。

 

勿論、そこに何があったかは分からないが…

 

 

 

4足走法には走法が2種類あり、

 

左手・右手・左足・右足という「トランスバースギャロップ」と呼ばれる馬と同じ走法、左手・左足・右足・右手という「ロータリーギャロップ」と呼ばれる走法で、

 

チーターやレース犬がこの走法らしい。

 

 

 

 

現在、最速の人類はウサイン・ボルトで、100mを958で走る。

 

オリンピックの歴史から見れば、人類は100年間で世界記録を約1秒縮めている。

 

国内記録に絞れば約2秒だ。

 

50年後、9秒を切るだろうか。

 

それは少し難しいとしても、現在よりは9秒ジャストに近づくのは間違いない。

 

しかし、これは4足走法でチャレンジしたら…

 

 

 

実は、現在100m走で4足走法の世界記録を持っているのは日本人だ。

 

2008年に2028の世界記録をだした「いとうけんいち」氏。

 

2015年には1571まで記録を伸ばしている。

 

その間、高校生に記録を塗り替えられるなど波乱もあったが、現時点では彼が1番だ。

 

 

 

50年後、人は100m走で2足走法から4足走法へ移行している可能性はある。

 

例えば、マラソンの「フォア・フォット」走法が注目され…足の裏の指に近い方から着地する走法で大迫傑(すぐる・27歳)が2時間550秒の日本新をだした…

 

今後はこの走法に一気に変わるだろうと言われているのだ。

 

 

 

因みに、フォア・フォット走法で有名なキプチョゲは、ナイキが2時間切りを目指す

 

BREAKING2」で、2017年に2時間025秒でゴールしている。

 

走法は完全に変わったのだ。

 

 

 

未だ進化を続ける人類。

 

700万年掛けてやってきたことの延長だ。

 

終わりはない。

 

 

 

では。