目視可能な細かい渦巻状の皮膚の起伏。
これが手のひらや足の裏にある「指紋」と呼ばれるものだ。

指紋は不思議である。
生まれた後は変化しない。
同じ指紋を持つ人は二人といない。
一卵性双生児でさえ、似てはいるものの微妙に異なる。
じゃあ、指紋は何のためにあるのか。
刑事が犯人を特定するため…にあるわけではない。
印鑑の代用になるものでもないだろう。
タッチパネルの認証のためでもない。
それらは、指紋の特性を別利用しているだけのこと。
指紋は、学術的に「摩擦稜線」と呼ぶらしい。
馴染みはないが、なるほど、手で滑らかな物をつかむ時の滑り止めなのだ。
しかしアクリル板などのツルツルの表面だと、指紋があることで
指の皮膚とアクリル板との接触面が少なくなり逆に摩擦は減ることも分かってきた。
また皮膚の細かな溝があることで、物を撫でたときの振動が大きくなり
皮膚が物体の表面の状態を感じやすくなる。
そして指紋には系統があり、いくつかのパターンに分けられるそうだ。
シンパンジーやゴリラなどの霊長類にも指紋がある。
何かを掴むという霊長類特有の行動は、他の種では基本的にやらない。
コアラ…これは霊長類ではないが「掴む」ことが生きるためには重要である。
だからコアラには指紋があり、それも人ととても似ているらしい。
人間も、何かを掴んで…生きているのだ。
どんな終わりかたやねん?
では。