土なし農法 (井手)

 

全農様の講習棟が平塚にあり、もう20年以上通い続けている。

 

平塚の駅及び駅ビルは大きく、新幹線が停車しても不思議ではないくらいだ。

 

実際、この街の北側を新幹線が通っているのだが、

 

その辺りは駅周辺とは違い、広大な農業地帯だ。

 

小さな面積しか有しない神奈川県には、人口数十万の都市がひしめき、

 

県のイメージとは裏腹に、意外と農業が強い農業県でもある。

 

そこへ持ってきて、また一つ「化け物企業」が登場している。

 

新たな農法の発明により、世界の農業を根底から覆すだろう。

 

土が要らない、太陽を必要としない、スーツ姿で農業といったら少しオーバーか。

 

 

 

この農法の発明者は、ベンチャー企業「メビオール」会長・森有一氏だ。

 

大手化学メーカーの研究職から二転三転、葛藤の末に辿り着いたのが、

 

「土なし農法」を支える特殊なフィルムだった。

 

その時、起業から10年が過ぎていた。

 

この発見まで「頭がおかしいのではないか?」といわれたり

 

「一体、何を考えているんだ?」といわれ続けたらしい。

 

 

 

しかし、やっと見つけた特殊なフィルムも、

 

農家にはなかなか採用してもらえない。

 

農家にとって「土」は絶対だった。

 

その神聖な「土」を使わない農法は、必ず欠陥があるに違いない、と言われた。

 

 

 

特殊なフィルムには、肉眼では見えないナノサイズの穴が開いている。

 

分子が小さい水は通し、ウイルスのような大きな分子は通さない。

 

作物を感染から守ってくれる利点がある。

 

そして、土耕栽培や水耕栽培に比べ、水や肥料の量を80%も減らせるのだ。

 

 

 

沖縄や横浜に自前の農場を作ることから始めたそうだ。

 

今、世界130カ国で特許を取得している。

 

砂漠だろうが、どこでも農業ができる。

 

ビルの中で、スーツ姿で農業をすることも、特殊なライトを当てることも

 

もう根底から農法が変わるだろう。

 

 

 

それが、よく伺う講習棟の近くにあるなんて。

 

興味津々…見学してみたいなあ。