鰻が好きだ (井手)

 

私は鰻が好きだ。

 

大好きである。

 

もっともっと食べたいけれど、ウナギは高い。

 

だから飽きるほどは食べられない。

 

だから、余計に好きになる。

 

 

 

しかし私は、鰻を嫌いになる日が近づいていることを知った。

 

ウナギの養殖が、それも完全養殖が実現しそうなのだ。

 

 

鰻の赤ちゃんは「レプトセファルス」という。

 

我が家の小学生の国語の音読で知っていた。

 

(毎晩ではないが、読み聞かせは楽しい)

 

その本によると、鰻が生まれる場所も分かっているし、その時期も判明した。

 

生まれたばかりの「レプトセファルス」は黒潮に乗って2週間、

 

シラスウナギへと成長する。

 

うまく黒潮に乗れなかったものは死滅するのだ。

 

海から東アジア各地の河川に入ったシラスウナギは10年かけて成魚へとなる。

 

このフィールド研究が、小学生の国語の本に載っていた。

 

 

 

2014年の6月に鰻が絶滅危惧種指定されて5年。

 

1960年代からの研究の成果が、漸く鰻の養殖として花開きそうである。

 

5年後か10年後、安い鰻が大量に出回ったら…あ~どうしよう夢のようだ。

 

 

 

食べ過ぎて、最後は鰻が嫌いになるだろう。

 

なんて贅沢だ!