今、私の胸に残る火傷の跡は、救命の証。
AEDがなければ、再生することも出来なかっただろう。
救命スタッフには感謝してもしきれない。
急性心筋梗塞で倒れ、搬送先の病院でカテーテル挿入の緊急(PCI)手術を受けました。
現在、順調に回復し、一般病棟に移っております。
まだ「その時」の記憶が曖昧です。
しかし、順を追って書いていこうと思います。
講習会の予定でご迷惑をおかけした団体の皆様には、
大変申し訳なかったと思っております。


超大型の台風19号が日本列島を襲い、夜が明けて次々と被害が判明していった15日。
この日は、私にとっても悲惨な記念すべき日となった。
祝日をのんびり過ごし、来年の正月、久々に家族で沖縄旅行の予約を取ったその夜。
夕食後に、言葉のカードゲーム「もじぴったん」で小学生や高校生の子供と遊んでいても
何だろう…体調が思わしくなく経験したことのない違和感が残る。
嫌な予感もしたが、単なる風邪のひき始めだろうか?
数日前にも似た症状があり、その時は早めに就寝した。
「今日も同じだろう」
朝になればなんてことない…軽い気持ちに切り替え、布団にもぐりこんだ。
ところが寝付けない、それどころか呼吸も苦しくなってきた。
やがて全身に汗をかきはじめ、そして手には力が入らない。
どう考えてもおかしい。
確かに、この夏の出張では右手に力が入らず、
キャリーバックを運ぶのにも左手を使うようになった。
どこかで右手の筋でも痛めたのかと思っていたが、
今夜の症状は一段と酷いものだ。
これは普通ではないと階下に降りて家内を起こした。
そこからの記憶は、バタバタと慌ただしく時系列が不確かだ。
結果、救急車を呼び搬送された。
救急車の中でも、症状が良くなってみたり、また悪くなってみたり…
一向に掴みどころがない苦しさの中、普段からお世話になっている病院へ。
救急隊員と医者と看護師らが私の症状に関する話を突き合わせている。
その間、私は手術の準備に追われた。
この時、家内は十数枚の用紙を書かされたと聞いている。
あっと言う間の出来事だったと思う。
手術室へ運ばれるとき「ご家族の方に挨拶しましょう」と看護師に言われた。
一瞬、家内の顔が覗き込んだ。
「よくわからないんだけど、手術みたい」
「頑張ってね」
たったのこれだけ。
正確かどうかも分からないが、これだけである。
ゆっくり話をする時間なんて、緊急手術を受ける身にはない。
1分1秒を争っているのだ。
後日、話を聞けば十数枚の書類にサインするのは時間がかかる。
モタモタしていたら執刀医が来て「早くしないと、旦那死ぬよ」と言われたらしい。
これも正確かどうか分からない、私も家内も動転していた。
その後、家内は書類を読みもせず急いで全てにサインしたそうだ。
そしてストレッチャーで向かった手術室で、
私の心臓は止まった。
私は今、心筋梗塞で入院中。
あまり仕事をすると心臓に負担がかかるかもと制限されている。
この続きは次回。