心筋梗塞・入院日記 2(井手)

入院6日目。

 

待ちに待ったバイクのリハビリだ。

 

この数日間、身体を動かしたくて仕方がなかった。

 

毎日顔を合わせているリハビリ担当の先生だから話も弾む。

 

初日の車椅子から、歩行練習、徐々に歩行距離を伸ばして今度はバイク。

 

 

 

「先生、学生時代には何かやられていましたか?」

 

「僕は野球を…」

 

やったぜ!一緒だ、話はいくらでもある。

 

心電図と血圧計を装着してバイクを漕ぐ。

 

20分間のチェックが始まった。

 

 

 

「先生が野球部の頃って、バッティングの時、脇は最初から締めていましたか?」

 

「ああ、そうだね…こう両脇共ね」

 

当然のように答えてくれた。当時はそのような指導が主流だ。

 

「今、違うんですよ…右脇は必ず開けるんですって」

 

「えっ、そうなの?」

 

 

 

僕らと同世代か一回り程度の年齢差なら、習ってきていることに共通点が多い。

 

「大リーグもそうですけど、今は日本のプロ野球も同じです」

 

「へーそうなんだ…なんで」

 

「右脇開けといて、インパクトの瞬間に締める…その方が、パワーがでます」

 

「あー、なるほどねー(イメージでやってみる)」

 

他愛もない野球談議だ。

 

あの頃は何を根拠に…と思うほど非科学的な指導

 

(うさぎ跳び、水を飲んじゃいけない、肩を冷やさない等)が多かったからね

 

今夜は日本シリーズの第2戦。

 

ということは、日本 対 南アフリカのベスト8の決戦。

 

きっと、ラグビーを見るけどね。

 

 

 

あと、あれ知っていましたか? 大阪の中学の野球部はほぼ硬式だって。

 

大阪は端から甲子園を目指しているんですよ。

 

これには先生もびっくりだった。

 

「…そうなんだ」

 

大阪でレギュラーになれないと思ったら、他県の強い私立に移籍するのです。

 

だから東北の高校が大阪弁しゃべっていたり…うんうんなるほどねー。

 

 

 

あっという間の20分。

 

運動できたことにより気分も最高。

 

リハビリはクリアーで明日は階段の昇り降りだ。

 

 

 

では。