二度目の大病に 前篇 (MIORI)

 

この度は父の急性心筋梗塞によりご心配ご迷惑をお掛け致しました。

 

今は一般病棟に移っており会話もでき、歩行も出来ますのでひとまず安心しました。

 

(本日時点で退院し、自宅で静養しております)

 

 

 

事の始まりは1014日。

 

台風19号が去った後の事。

 

私は友人と出かけている最中で、次の日の仕事の事を考え、早めに帰宅することに。

 

23時過ぎ、父から着信があった事に気が付かず、携帯を見たときには2回程着信が入っていた。

 

何だろうと思いながらも、「いつもの事でまた電話が来るだろう」ぐらいに思っていた。

 

すると、3回目の着信が。

 

電話に出ると「体調が悪いんだ。すぐに来てくれ」と父が言った。

 

体調が悪いと聞き、まさか心筋梗塞とは思わない私は

 

「今出先で、すぐに戻れないからお母さんに言ってみて」と軽くあしらってしまった。

 

もしもあの時命が助かっていなければ、今回の私の行動は一生後悔したであろう。

 

すぐに電話は切れ、妙な歯切れの悪さだけが残った。

 

いつもの事だろうとは思ったのだが、その割には着信の数が多いなぁと思い、母に電話をした。

 

母に電話をするまで5分は空いてなかったと思うが、

 

電話をした際には「救急車を呼ばないと、また後で連絡する」

 

そう言って切られてしまった。

 

 

 

救急車を呼ぶほどの事なのだから、余程大した事なのだろうと思いすぐに車に乗り込んだ。

 

出発前、母に状況が分かったら連絡をしてとLINEを入れ帰宅を急いだ。

 

車を走らせる事10分。

 

LINEの通知音が鳴りLINEを見てみると

 

「あとどのくらいで着く?まだ病院なんだけど、来られなそうならタクシーで帰るけど」

 

母も気が動転していたのだろう。

 

よくわからないLINEが来た。

 

私も焦っていたのでLINEの内容がよく理解出来ず、電話をかけた。

 

すると「急性心筋梗塞なのよ」と母。

 

それを一番最初に言いなさい。

 

タクシーで帰るけど、なんて言うもんだから、

 

てっきり大した事なかったんだなぁと一瞬安心してしまったじゃないか。

 

 

 

「さっき手術の同意書を書いて、お父さんこれから手術だから」と言い電話は切れてしまった。

 

父が緊急搬送された病院は何年か前に移設をし、

 

更に腎クリニック、一般外来と分院をしたので同じ名前の病院が何個かあったため、

 

母に新しいか古いかだけを聞いた。

 

すると私が入院した方!と言うので、古い方の病院へと向かった。

 

(母は何年か前に眼振で検査入院した)

 

 

 

母の言っていた古い方の病院に到着すると、恐ろしいほど静まり返っている。

 

灯りもついていない。

 

おかしいとは思ったが、母の言葉を信じ、しばらく入り口を探した。

 

しかし、探しても探してもライトがついて開いていそうな入り口が見つからない。

 

そればかりか、トイレを我慢していた私はトイレに行きたい気持ちと、

 

入り口が見つからないとで、だいぶパニックに陥っていた。

 

 

 

しばらく探してどうしても入り口らしき所もないので母に電話をした。

 

が、出ない。

 

この時、医師の説明を受けていたそう。

 

 

 

15分ぐらいした頃だろうか。

 

母からの着信があり、すかさず電話を取った。

 

「そこって古い方の病院だよね?電気もついてないし、入れそうな所もないんだけど?」

 

「うん。そうだよ。私が入院した所!今正面玄関に立っているんだけど見える?」

 

「私も正面玄関にいるけど、人らしき姿が見えないから、病院の関係者の人に場所聞いてみて」

 

 なんて会話をしていると病院の関係者だろうか、後ろの方から

 

「市民会館の裏の新しい病院!」と声が聞こえた。 

 

やはり… 

 

よく見ると私の立っていた正面玄関には「腎クリニック」の文字が。

 

私も母も焦りすぎていた。

 

 

 

すぐさま新しい方の病院へと急いだ。

 

古い方の病院からは車で5分ほどの距離、すぐに到着した。

 

 

 

病院に入ると、明らかに新しいし綺麗。

 

母曰く、救急車で病院まで来たので外観が見えなかったそう。

 

 

 

母を見つけ駆け寄ると、大量の書類を書いていた。

 

入院に関しての書類や血液検査などの同意書だの、兎に角たくさんあった。

 

私も手分けして書類を記入した。

 

書類の中には「急性心筋梗塞」の文字が。

 

ここでようやく、父が大変な事になったと改めて実感させられた。

 

 

 

続く