終活に興味が…(井手)

 

私は、我が強くて…〇〇活という言葉遊び?みたいな感覚にどうも馴染めない人間だ。

 

今となっては、婚活や終活などに加え、〇〇活という言葉は十分に市民権を得ていると思うが私には馴染めないようである。私は、どうも柔軟な人間ではなく意固地なのだ。

 

とはいえ5年程前だろうか、仕事柄「終活の初級コース」を物は試しと受験した。

 

(個人の感覚で悪いが)それぞれのジャンルの専門家という人たちが何人も現れ、

 

挙句の果てに葬祭ディレクター有資格者が登場したときには…ほとほと参った。

 

しかもその試験のクオリティの低さにも恐れ慄き(人によってはカンニングまがいも)、だけど初級合格させなきゃ登録費用が…ああ、民間だから当然だし、そういうこともあるのだろう、そして何より終活というものを広めたいのだろうと思うしかなかった。

 

その経緯から役に立ったのは、翌年私が2FPを受験したことだ。

 

 

 

今でも「終活」という言葉は好きではない…が私はたまたま先日死にかけた。

 

正確に言うと、一度死んでから、電気ショックで再生(蘇生)してもらったのだ。

 

その後、あのまま死んでいたら何を後悔したのだろうか、と自分に問うた。

 

「終活」の活動なんて何もしていない。

 

詳細は、我が家のことだけに公には書きにくいが…正直あまり後悔はなかった。

 

死ぬこと自体は勿論嫌で、もう少し長く生きていたいとは思ったが…

 

お金のことは心配だが、我が家の娘や息子には割と正直に話してあるし、

 

払わなきゃならないもので大物はもう既に終わっている。

 

保険関係も子供らは(特に娘は)家内よりも詳しいかもしれない。

 

相続に関しても法務局には割と縁があり、その関係で伺っているので心配はない。

 

つまらぬ個人的な心配事があるにはあるが、それは秘密ということにしておこう。

 

要するに、終活なんてしていなくても勝手にやれていたのかもしれない。

 

 

先月、雑誌AERAに、あるファイナンシャルプランナーが終活に関して書いていた。

 

その時も、前提がチョット違うかな?とは思った。

 

 

 

「何もしないままこの世を去ると、残された家族はさまざまな手続きや探し物に忙殺され、故人を想い静かに別れの時を過ごすこともままならない。遺族に迷惑をかけないため、何ができるのか。」(記事より)

 

 

 

忙殺されるくらいの方が良い。お葬式の準備が万端で「はい、死にました」はいただけない。お葬式とは程度の差こそあれ、そういうものだ。

 

記事は、耳ざわりがいい言葉の羅列だけれど、私自身は、秘密を作らなければあまり問題がない、と思うが我が家は世間一般とのズレがあるだろうな、とも思っている。

 

それでも私自身が葬祭関係で生きてきた関係もあり、いくつか反論したいこともある。が、いちいち言っていても始まらないだろうけど、それでも少しだけ。

 

 

 

「葬儀は自分で見積もりを取って家族に伝えておく」(記事より)

 

 

 

この見積もりは、どこまで当てになるのか不明だが、単なる一つの目安だろう。

 

ここに書かれた金額で全てがOKとなる方が珍しいのではないか。

 

その理由について、あれこれとここでは言及しないが、元々心配をしている方なら

 

他人に言われなくてもお葬式の準備はその人なりにしているのではないか。

 

それは普通の考えだと思うが…

 

 

 

「遺影写真を自分で用意してほしい」(記事より)

 

 

 

確かにそうだという思いもあるのだが、事前に遺影が決まっていなくて、

 

家族でアルバムを引っ張り出し、故人の思い出を偲びながら「うあー若いなあ」

 

「この頃は元気だったね」とか思い出に浸る時間は無駄とは思えません。

 

心ない葬儀社だったら早く決めて欲しい…と思うかもしれませんが、

 

私はこの無駄と思える時間を懐かしむのが大好きで、

 

故人の人となりや家族との関係性がよく分かります。

 

それはお葬式の始まりなのだと思っています。

 

他のビジネスとの違いは、無駄を省くのが良い…必ずしもそう言い切れないのがお葬式。

 

私はそう思いますし、お葬式の深さや良さが滲み出るところではないでしょうか。

 

 

 

まだまだ他にも言いたいことはありますが、終活というブームに乗っかって

 

今までは何のコメントも出さなかったのに…そういう思いが確かにあります。

 

結局、悪徳業者(葬祭も終活も)が増え、結果としてお年寄りが騙される。

 

そうならないで欲しいと思っていますが、現実はどうでしょう。

 

騙されないで欲しいなあ。

 

 

 

では。