知的好奇心がそそられるなあ。
2020年の2月24日まで上野の国立科学博物館で
「特別展 ミイラ…永遠の命を求めて」が開催されているのだ。
一口にミイラと言っても様々だ。
卑近なものでは、干物もミイラだし、塩漬けの肉やサラミもそうだろう。
つまりミイラとは、その姿を長く保つためのもの。
長期間保存してあるのは腐敗を防ぐ処理をしてあるということだ。
だからと言って博物館に、干物が並ぶわけではない。
いや、ある意味並ぶのだが、ご飯のお供や酒のアテにはならない方のソレだ。
肉体をなるべく維持しミイラにするためには、腐敗の進行を抑える必要がある。
そのためには乾燥だ。温度は10度以下、あるいは逆に40度以上にする。
そして微生物の活動を抑える特殊な薬品を使う。
地球上では、各地でミイラが発見されるが手法も目的も様々である。
実に面白い。
人工的なものばかりではなく、偶然で出来上がったものもある。
アルプスの山で氷の中から出てきた「アイスマン」が発見されたことがあったなあ。

「永遠の命」と言われることがあるが、ミイラは生きてはいない。
正確には死んでいる、しかし生きているときの様子が、より分かりやすいように保存…とでも言えばいいのだろうか。
好奇の目で見られることが多い。
地球上でもっとも好奇の目で見られ有名なミイラといえば、
世界一美しいミイラ…ロザリオ・ロンバルド
日本では即身仏あるいは即身成仏と言われることが多いが、
この「即」の意味合いは、「数か月間」くらいの長い意味だ。
「即」=「瞬間」ではない。
湿度が高い日本でミイラになるには苦労したはずだが、
生きているうちに炭水化物の摂取を控え、具体的には徐々に食事を減らし、
お粥から最後は絶食したらしい。
また、腸内細菌の活動を抑えるために漆を飲んだという。
私は漆を飲んだことがないので、調べてみると、舐めただけで舌が痺れ、
その後、身体に発疹が出ると言われていました。
ミイラになるのは物凄い執念ですね。
そしてひたすら、暗い石室の中で静かにミイラになるのを待ったのでしょう。
日本では、好奇というより崇拝の対象です。
日本各地に広がる河童伝説と河童のミイラ。
あれは…怪しいけれどね。
行きたいなあ、ミイラ展。
では。