経文と偈文 ②(井手)

 

昨日からの続きです。

 

浄土真宗本願寺派の三奉請と同じものを浄土宗で比較すると、

 

四奉請(し・ぶじょう)という偈文になります。(浄土宗は三奉請もございます)

 

浄土宗は、呉音読みと漢音読みの両方がありまして

 

(その歴史的意味についてはカットさせてください)、

 

三奉請は呉音読み(本願寺派と同じ)もありますが、

 

四奉請は漢音読みです。

 

今、日本では漢音読みが普通です。

 

仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだきょう)を漢音読みすると

 

「ふっせつあびたけい」になり、実際、天台宗ではこのように読んでいます。

 

また話が若干ズレますが、天台宗では阿弥陀経は「中抜き」で読みます。

 

浄土宗では半巻で読みます。浄土真宗は1巻全部を読みます。

 

宗派で違いがありますね、読み方だけではなく、内容に関しても。

 

 

 

では浄土宗の例を挙げます(漢音で読みます)。

 

① 奉請十方如来(ほうぜい しほうじょらい)

 

入道場(じとうちょう)散華楽(さんからく)

 

② 奉請釈迦如来(ほうぜい せきゃじょらい) 入道場散華楽

 

③ 奉請弥陀如来(ほうぜい びたじょらい)  入道場散華楽

 

④ 奉請観音勢至諸大菩薩(ほうぜい かんにんせいし しょたいほさ)入道場散華楽

 

要するに、本願寺派が3点に絞ったものを浄土宗は4点にというところが違うところ。

 

繰り返しますが、浄土宗には三奉請もございます。

 

これらは経文ではなく偈文です。

 

 

 

宗派によってお焼香の案内のタイミングが違うのですが、

 

一般的には経文に入ってからの焼香案内が多いのです。

 

その辺りをポイントにして、ベテランや新人などの経験の差などに関係なく

 

宗派のセットリストを皆様に理解していただく。

 

本来は、僧侶からの指導があれば一番良いのではないかと思われますが…

 

また長くなりましたので、この続きは明日。