あのう・・・ 担当者さん・・・ ちょっと待ってもらえませんか?
挨拶もそこそこに、いきなりこんなにたくさんのパンフレットやバインダー・・・
「さあ、どれにしますか?」みたいな態度、それは無いでしょう?
これから何の打ち合わせが始まるのですか?
もう少し、「始め方というもの」があるでしょう?
今のあなたの中には(以下、あなた=担当者)
「この葬儀でいくら売上げるか!」それしか無いということが見え見えです。
もちろん商売だから、それが間違っているとは言いません。
でも、今ここにいる私たちの胸の内を 少しでも想像できませんか?
「叔母は、つい昨日、亡くなったんです」
「コロナの影響で、最期を看取れなかった後悔をみんなが抱えているんです」
「私たちの心は、悲しみとショックで、いっぱいなんです」
「頭も心も、叔母のことしか考えられない」
いきなり、あなた方のやりかたに引きずりこもうとするから、
ここにいるみんなの心の中は、わけの分からない混乱と怒りでいっぱいです。
それにすら気づこうとしないで、どんどん進めている・・・
打ち合わせの寸前まで泣いていた私たちの気持ちに寄り添う心が、あなたにはありますか?
まず亡くなった叔母のことに触れて欲しい。
そして、悲しみと不安でいっぱいな、私たち遺族の心を労って欲しい。
度々の私達の沈黙を あなたはどう受け取っているのでしょうか?
あなたへの怒りが、私たちを黙らせていることが分かりませんか?
文句を言うのは簡単です。でも感情的になることで、叔母の葬儀を台無しにするのではないかと心配で、私たちは必死に我慢しているのです。
叔母を亡くしてこんなに悲しいのに、怒りの感情を押さえることはそれ以上に苦しいことです。
遺族にとって、一番大切にして欲しいのは「故人の存在」なんです。
あなたにとっては会ったことも無い人でしょうけれど、今も目の前にいるんです。私達には見えるんです。あなたが少しでもそのことに気が付けば、出て来る言葉も態度も変わってくるでしょう。そしてそれが十分に伝わった時、私たちもあなた方に協力しようという気持ちになれるのです。
後述:
1月に大好きな叔母を亡くしました。遺された叔父と一人っ子の従兄弟を支えて、親族というよりも遺族としてサポートした地元の葬儀、物事は滞りなく進んだように見えました。スタッフの立居振舞もスマート、式場も白一色のモダンな装い・・・。でもそこに葬儀をサポートする人としての温かさや、遺族に寄り添うような態度を感じることはありませんでした。若いスタッフのやることすべてが事務的でした。色々な意味でとても悲しい叔母の葬儀でした。
